番外編 孤高の空


夕焼けが戦地となったフォートブラッグを照らす。


本作戦における主な戦闘は空中と沿岸地帯と空軍基地で行われた。それと比べると目立つ傷痕はアリゲラ墜落の際の軽いクレーターくらいだ。


戦闘跡を調査する部隊を屋上から眺めるラリーとアルヴィンは鉄柵にもたれかかりながら回想する。


「こんな形で「G」と遭遇するとは思いませんでしたね。」
「勘弁してほしいぜ全く。」


爾落人、能力者、アントラー、ビオランテ、イリス、ガイガン、「G」キラーザウルス、ミステイカー。様々な「G」とその力を目の当たりにしてきた彼らだが、人間の姿をしていない「G」はいつも目の前で致命傷を与えられ存在を失ってきた。生存が曖昧な「G」は「G」キラーザウルス以来だった。


「ネクスト、今後も俺たち軍人の前に現れると思うか?」


アルヴィンは思わずラリーに聞いてしまうが、ラリーは首を横に振った。


「分かりません。ただ…」
「ただ?」


アルヴィンは不思議そうに聞き返す。


「今視えるのは彼が再び空を翔ける未来です。」


ラリーは空を見上げた。同じ空を見上げ想っているであろう、彼らを思いながら。





END
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