番外編 孤高の空
「少佐、戦闘は終了し、アリゲラはネクストに撃破されました。」
「ネクストの行方はどうだ?」
「ネクストは消滅したとの事です。」
コンロイは事の顛末の報告を受けた。
ネクストが去った後、コンロイたちは指令室の回線を通じて戦況を把握していた。呆然としていた憲兵を落ち着かせつつるのには骨が折れたが、今は車輌に搭乗させて撤収の準備を進めている。
「そうか…、行っていい。」
「失礼します。」
人払いを済ませたコンロイは自分の周囲に憲兵がいないかを確認すると秘匿回線でどこかに通信を入れる。
「私です。結末は既にご存知ですね? ネクストとレイセオンの情報は伏せておきました。目撃した憲兵にも既に箝口令を敷いています。……了解。帰還して直接ご報告します。」
通信を切ると、待機させている憲兵の車輌へ歩いて向かう。
「逃亡の際の死者は0。人畜無害と気取ったつもりか、異端者が。」
コンロイは溜まっていた思いを吐き捨てる。
ネクストは消滅したと表現されていたが、今も生存している確信があった。「G」が自害するような事はあり得ないというのが持論だ。特に好戦的な「G」は。
コンロイは車輌に到着するまでにこの溢れる思いを抑え、車輌に乗ると憲兵を率いて撤収した。