番外編 孤高の空
作戦の目的は達成された。予定外の「G」による介入によって。
「ネクスト、消滅しました。」
指令室の空気は重い。こちらの被った損害は少なくなく、不確定要素によって決着が着いたのは微妙な結果と言える。
「全部隊は撤退、戦後処理は他の基地に任せる。各部隊に通達。これからは基地の復旧に主眼を置く。まずは救助・撤去作業と物資の手配を急げ。」
「了解。」
通信員はロックウェルの言葉を復唱するように各部隊に命令を伝える。ロドリゲスは指揮権を剥奪された事実から逃げるように指令室に見境を着けた。
「……」
「貴官はまだ若い。想定外の事態でも狼狽えるな。指揮官としての鉄則だぞ。」
ロックウェルはわざと基礎中の基礎であるアドバイスを言い、ロドリゲスは拳を震わせる。
「…失礼します。」
敬礼した後、副官を連れて指令室を後にするロドリゲスを、ロックウェルは憐れみの眼差しで見送った。