番外編 孤高の空
上下左右が分からない膨大な光の流れに一人、ハワードは存在していた。宙に浮いている感覚だ。だが少なくとも現実に体感していないのは分かった。まるで生死の境をさ迷っているように思えてくる。
……俺は…死ぬのか…
生を諦め、目をつむった時、体の全身が暖かい何かに照らされた。
見てみると先程の赤い発光体がハワードを見定めるように目の前に存在していた。
数秒経った後、まばゆく光った発光体を核にY字型のコアに変化、そこから血管のようなものが張り巡らされ、やがて半透明で人の形を形成していく。その大きさは正しく巨人だ。
…………
巨人はハワードを見下ろし、ハワードは巨人を見上げた。
……君は…誰なんだ?
遠のく意識の中、ハワードが問い掛けるが巨人は何も語らなかった。