‐バラガミ‐ 今によみがえる飛梅伝説(総天然色版)
「さて、じゃあわしもそろそろお天道様の所に帰るかのう。これ以上末代の体借りてたら、わしがこの体を乗っ取りかねんし、今の桜にとっちゃまずいじゃろ?」
「そう・・・ですね・・・」
『ちょっとの間だけやけど、千年振りに会えて楽しかったわぁ。昔に戻ったみたいやったどすえ。』
――・・・又、何処かで会おう。
「・・・じゃあみんな、達者でな!このわしが、いつまでもお天道様の上から見守っとるからの!
バラン、お前は少し人間嫌いを無くして、摂津の地をちゃんと守るんやぞ!もうお前は、あの地の神なんやから。」
――嗚呼。了解した。
去らばだ、ドウシン・・・
「お梅、これからも末代と天満宮の事は任せたぞ。あと千年は、安泰なこの地が見たいからのう!」
『そんなん、分かってますえ。やから全部うちに任せて・・・さよなら、みちまさはん。』
「・・・貴方に会えて、本当によかった・・・!
道真様・・・わたしは貴方を、一生・・・!!」
「・・・桜。
お前はもう悲しまんでええように、末代と・・・真と、幸せになるんやぞ。」
昔のわたしが会いたかった、道真様。
今のわたしが会いたかった、真ちゃん。
時間を越えて、わたしは会いたい人に会えました。
これも全部・・・うめさんこと、お梅さんと。
バラさん・・・バラン様のお陰です。
本当に、本当に・・・ありがとうございました・・・!
「真・・・ちゃん?」
「さくら・・・おれ、次は自分だけの力で君に会いに行く。だから・・・それまで、京都で待ってて欲しい。」
「・・・うん。わたし、ずっと待ってるね。
じゃあ、指きりしよっ。」
「「ゆーびきーりげーんまーん、うそついたら、はりせーんぼーん、のーます!
ゆびきった!!」」
そうして桜・・・「さくら」はんはバランはんと一緒に、平安の地に帰って行きはった。
あの指切りが果たせるんがいつになるかは真はん次第やけど、「学問の神様」とか言われとるみちまさはんの末代やねんから、多分そう遠くは無いと思うどす。
あっ、ちなみに真はんったらさくらはんとバランはんが帰った後に・・・
「あのさ・・・お梅さん。これからも、おれとお梅さんは『知り合い』でいよう。
だっておれ、菅原道真の生まれ変わりってだけで、本人じゃない感じだし・・・だから、ごめんだけど。」
・・・こう、うちに言って来たんよ。
なんか、失恋させて悪いみたいな感じやねんけど・・・ちゃんちゃらおかしいわぁ。
だって、うちが愛しとったんはあくまでみちまさはんで、真はんとちゃうのに・・・
でもこういう生真面目なとこ、みちまさはんとちゃうくて可愛ええんどすなぁ。
まっ、これからもうちはなんも変わりなく、この地と・・・真はんを、見守って行くとしますえ・・・
「・・・待っててくれよ、さくら。
おれ、絶対君を迎えに行くからな・・・!」