ホーリーライトニング伝説

第二幕


 そこは魔法が存在する平面世界。中心の大陸は人々が暮らし、海を隔てた果ての魔大陸には魔族が暮らしていた。
 遥か古より、魔族と人による果てなき戦乱が幾度となく繰り返されていた。
 しかし、その争いも魔王と、その圧倒的な力を持つ怪物に対峙する存在、勇者の最終決戦により終わりを迎えた。
 決戦の最中、勇者と魔王は世界から忽然と姿を消し、そして勇者が戻ってきた。
 魔王がいなくなり、やがて戦火は収まり、平面世界にしばしの平和が訪れた。

 しかし、その平和は長く続かなかった。

 新たな魔王の出現か? ――否。
 人と魔族の入り乱れた戦乱か? ――否。
 新たな敵の出現か? ――すべて否。

 それは明確な敵の存在する脅威でなかった。
 その現象を当初、彼らは“滅び”や“崩壊”と呼んだ。
 人も魔族も魔物も分け隔てなく、等しく均一にその存在が消えていた。
 ある者は突然、肉体を消した。別の者は動けなくなった。一部が朽ちて崩壊した者。体が透明になり、やがて死に至った者もいた。
 そして、共通するのはこの世界で生息する生命、存在する物質に僅かでも必ず存在する魔法が消失することから始まり、それがこの現象のすべてであることがわかるまで、時間はかからなかった。
 それは生物に留まらず、物質に存在するあらゆる魔法が消失し、物体の維持すら困難になる事象が発生した。
 やがて、魔法の知識に長けた者達が想像した中でも最も危惧していた事象が発生した。

 平面世界は魔法によって、平面世界が平面世界足り得る世界の秩序を保っていた。世界の果て、空の果ての存在する平面世界において、果てから零れ落ちる水、土、空気、熱、それらすべては平面世界そのものが有する大地の魔法によって平面世界の中に留められていた。
 その魔法が遂に、消失を始めたのである。
 天変地異という言葉では生易しい。言うなれば、世界の終焉であった。
 空の至る所から生物を殺す宇宙線と漏れ出す空気が生み出した竜巻が襲い、大地や水、凡ゆる全てが浮き上がり始め、地の果てから世界が崩壊を始めたのである。
 それは彼らが抗うにも猶予がなかった。
 瞬く間に世界は容易く崩壊を始め、失われていった。
 魔王から世界を救った勇者も例外でなく、この終焉に成す術はなかった。
 その時、勇者は中心の大陸にある大聖堂にいた。
 この世界には複数の神話、神がいる。記録すら残らない最古の神話では平面世界の創造をし、最初の民を導いたとされる異形の神だったと言われている。それ故に歳月と共に魔族が信仰する邪神に変わり、魔王は邪神の化身、その姿を得たと言われていた。一方、人類は神の姿を自ら人に模し、女神とした。女神の姿も時代により変遷しており、現在の女神は数世代前の戦乱で人々を導いた聖女の姿と同化しており、大聖堂の女神像も只人の女性をしている。人類側に残る最も古い神話の女神の姿は、大聖堂地下に眠る全身を銀色の鎧に包み巨大な色鮮やかな蝶の翅を広げた壁画である。つまり、彼女の力を勇者とする理由はその姿がこの壁画に似ているが為である。
 勇者は大聖堂の台座に掲げられた女神像に祈った。既に彼女に残されたのは最期まで祈ることだけであった。

「!」

 その時、唐突に女神像が真っ二つに割れた。砕けたのではない。鋭利な刃物で縦に一刀両断されたのだ。
 左右に吹き飛び大聖堂の床に落下した衝撃で像は砕け、その音が聖堂内に響く。女神像のあった場所は白い煙が噴き上がり、ゆらゆらと白い煙が漂う。その背後は聖堂の壁でなく、空間そのものが縦に割れていた。
 その割れた空間から勇者がかつて訪れた異世界の時代劇に出てくる剣豪の姿をした男と白い神官服と思われる衣を着た女が現れた。

「これで満足か? 人を飛脚のように使うのは今回限りにしていただきたい」

 剣豪は女神官に投げやりに言う。対して女神官はクスクスと嘲笑する。

「あら? お伝えした通り、この事象は貴方の故郷、自身の運命に直接的に関わることで、既に貴方自身もそれを嫌というくらいにご存知でありませんか? これは貴方にとって協力でなく、義務です」
「…………。それでも呼び出し方、人の使い方があるとだけは言っておく」
「耳には入れておきますね」

 剣豪が唇を噛んでいる姿を隣で女神官は涼しい顔で視線から外し、足元で自身らを見上げる勇者を見下ろした。

「こんにちは、勇者。どうも、女神です」

 女神と名乗った女神官は尊大に、しかしそれを他が認める絶対的な存在感があった。故に、勇者は否定することができず、女神なのだと思うことにした。








「…………そして、私は女神と剣豪によってこの世界へ来た。女神曰く、女神の力で崩壊する世界は守っておくそうです。信頼はできないが、実際に私が見た女神の力は信用にたるものでした」

 古代文明の昇降装置という円形の台のある浮島深部にある遺跡にロバートは案内する。
 遺跡を移動する道中、勇者は二人にこの世界へ来た経緯を話していた。
 植物の根が遺跡の壁面を侵食しているが、昇降装置周辺は根が避けている。一辺8メートル程の立方体の部屋となっており、入口以外に窓一つないが、天井から明かりが室内を照らす。照明器具が見えず、岩石を切り出した外見をした天井のゴツゴツとした表面そのものが点灯している。
 昇降装置の中央にある腰高の柱にロバートが近づき、先端に掌をかざすと台座全体に光が灯る。
 装置を起動させながら、ロバートは勇者に問いかける。

「ユウ様が仰るなら、相当なお力だったんですね? 自動車を追い抜くとか?」
「ロバートのおじさん、その例えはよくわからないよ」
「10億年くらい前だとウケたと思います」
「そんなに昔から知ってるのですか?」
「イイエ。長年スリープしてましたが、精々数百年前の製造ですヨ」
「ツッコミに困るボケ方はやめていただけますか? あと、何故急に片言に。………まぁ、話を戻しますね。私は女神の力の一端を体験しました。いえ、それは魔法でも説明のつかない、まったく理解を超えていたのですが……」
「何をしたんですか?」

 ロバートは手を止めて勇者を見た。勇者はゴクリと喉を鳴らし、答えた。

「あ…ありのまま、お話します。私は台座の上に立つ女神に向かって階段を登って近づいた……と思ったら、いつのまにか降りていました。な、何を言っているのかわからないと思いますが、私自身も何をされたのかわからなかったのです。幻惑の魔法などでは断じてありませんでした。もっと恐ろしいものの片鱗を味わいました………」
「…………」
「それ、時間を戻しただけでしょ?」
「「!」」

 平然とした顔で、何を当たり前のことを言っているのかとそれがむしろ不思議でならない。そんな顔でホーリーライトニングは言った。

「は、はい。確かに女神もその様に仰っていました。……が、それは魔法で不可能とされ、神話上の伝説になっている力です」
「そうなの? でも、お母さん、いつも時間戻してるよ? 雨でお洗濯が濡れちゃった時とか、ラーメンのびちゃった時とか」
「ほ、本当なのですか?」
「うん。だって、お母さん、時間の爾落人だもん」
「じ……爾落人というのは、そんなに都合の良い存在なのですか?」
「うーん? お父さんは疲れるから、何でもかんでもやるつもりはないって」
「それはその気になれば何でもできるということでは……?」

 勇者が戸惑いを隠せず何とも言えない表情をしているのに対してホーリーライトニングは不思議な顔で見つめ返す。

「おっ! 起動しましたよ! とりあえず、地上へ降りましょー」

 ロバートの声と共に昇降装置は彼らを乗せてゆっくりと下へと動き出した。








 昇降機は無事に地上へと降りた。見上げると空高くに小さく浮島が見える。体感ではあっという間に地上へ降りたものの、実際にはかなりの高さを降下していたらしい。

「あの高さを降下していたのですか? 全くそうとは感じませんでした」
「それはこの昇降機が昇降中に発生させるフィールドのお陰ですネ」
「守りがあるなら、空の脅威も怯えることはなかったのでは?」
「昇降機に乗っている人間に襲いかかる程度の相手は守れても昇降機を壊す相手ではどうしようもないですワ」

 そう言ってロバートはWAHAHAHAHAと豪快に笑いながら、瓦礫を指差した。
 昇降機の周囲は浮島の遺跡と似た作りになっている。大きく違うのは天井と壁がなく、柱だけが立つ吹き曝しとなっていることだ。上空から降りてくる円盤の着地点の構造物であるから天井がないのは当然といえる。
 そして、ロバートが指した瓦礫は彼らから50メートル程離れた場所にあった。遺跡にはなっていない野原の真ん中に昇降機と同質の板が砕けて瓦礫となって地面に突き刺さっている。

「あれは昇降機ですか?」
「そう言うことですわ。昇降機ごと破壊されてしまうんで、降りれなかったんです」
「じゃあ、降りれてよかったねー」
「ソウデス。ホーリーライトニングさんのお陰ですよ!」
「…………」

 勇者は改めて足元の昇降機を確認する。
 形ある物、壊れることは可能だろう。しかし、彼女の力で壊せるものではない。それを破壊する相手を目の前の子どもは倒してしまった。しかも、魔法でも出せない程の威力の光線で。

「数百年前はこの辺り、森林だったんですが、いつの間に草原になってますね」
「先程も思ったのですが、冗談ではなく本当にもっと昔から眠っていたのではありませんか?」
「いえ、時間の測定は正確です。頭の中の光学ディスクには正確に時が刻まれてます!」
「その光学ディスクというのを知りませんが、むしろ信憑性が低くなる発言に聞こえます」
「WAHAHAHAHA! ユウ、面白いこと言いますねー! でも、ミーに原因があるのではなく、この世界の方に原因があるのですよ! ……あ、今のはユウをYOUとかけたのです」
「一々解説はいいですよ。……で、どう言うことですか?」
「クイーンがこの世界を支配したからです」

 ロバートは笑顔を止め、真面目な顔で答えた。
 
「クイーン? 女王ということですか?」
「イエス。数百年前まで、この世界……いえ、惑星テラツーは星雲系の辺境にありましたが、外宇宙と交流を持つ開拓惑星の一つでした。私も当時の自律式機器の一つとして制作されました。……しかし、ある日を境にこの惑星は「G」化し、それまでの物理法則とは異なる法則が見られるようになり、その混乱に乗じてクイーンは惑星を支配。外界との交流を断ち、我々はスリープ、或いはスクラップ、或いはリライトしてクイーンの操るゴーレムにされました」
「それ、お姉さんと同じ力だよ」

 突然、ホーリーライトニングが勇者に向かって言った。
 勇者が彼女を見ると、ホーリーライトニングは勇者の周囲に視線を向ける。

「ユウお姉さんの体から出ている力とこの星中に漂っている力は同じだよ。これ、魔法の力なんだよね!」
「…………確かに、魔法は精霊子、魔素等と呼ばれる存在を介して発現されていると言われています」
「イエス、異変が起きて以降、この惑星では未知の粒子の存在が観測されています。流石、ホーリーライトニングさん。さすホラですネー!」
「無理に略さなくていいですから! ……しかし、女神様のお言葉の意味もこれで理解できました。我々の平面世界がこの世界に流れ込んでしまっている。流れ込むと言うべきなのか、吸収されているのか、溶け出てしまっているか、それはわかりませんが。その結果として、魔法の力がこの世界にも影響として出ている。この問題を解消するにも、現在この世界はクイーンという存在が支配している為、クイーンに無断で行動はできない」
「ノー。クイーンは魔法を独占、利用しています。利害が対立しますヨ。また、浮島が記憶していた数世紀でクイーンは自身の支配がし易い社会に変えています。魔法と独裁的統治による支配が行い易い社会は身分階級制のある封建社会、文明レベルも大きく下げられています」
「私の平面世界に寄っているとも言えますね。ただ、平面世界の場合は長年続いた魔との争いの歴史による有事体制を続ける為の戦略だと歴史書には書かれておりましたが」
「兎に角、クイーンにとって我々は居て困る存在となります。対立を避けての交渉は困難を極めます」
「だからと言って、初めから交戦をしてはただの侵略者と何も変わりません」



 
 一方、途中から二人が難しい話をしていた為、ホーリーライトニングは興味を無くして昇降機のある遺跡から出て野原を走り回っていた。

「……!」

 突如、ホーリーライトニングの背後で稲妻が迸り、火花が散る。
 しかし、彼女の手前でそれは見えない壁に阻まれていた。

「何だと? 魔法障壁を使った形跡はなかった」

 草原の中にある木に侵食された昇降機とは別の遺跡から声がした。
 ホーリーライトニングは不思議な顔で、「バリア」と答える。

「バリアだと? …………解析終了。なっ! 君は何者だ! 重力子を操作して量子単位での絶対不可侵の障壁を展開した……だと? それをこの狭い範囲に限定的に、そして一人の人間風情が行っているのか!」
「そうだけど、何? オジサン、ずっとそこで丸くなっているのは何で? 教えて? ねーねー何で?」
「ダァァァァァーっ! これは奇襲を仕掛ける為の擬態だったのだ! 君達はクイーンの邪魔になる。私はクイーンに命じられた。君達を排除する為に、このバイオスは現れた。バイオスは決してオジサンではない。バイオスはクイーンのゴーレム四天王が壱。クイーンの植物と融合した電脳プラントだ! バイオスの目から放つ電撃のビームを防ぐとは驚いた。しかし、その小さな体でバイオスには勝てない。強いものが弱いものを倒す。弱肉強食というのだろう? ……私の好きな言葉です」
「慣れない言葉、使わない方がいいよ」
「なっ! バイオスのメモリーにある最高にかっこいい来訪者が言っていた言い回しを馬鹿にするな!」
「真似してもいいけど、練習しないとカッコつけられないよ。私はいつもおじさんとお父さんの真似しているよ!」
「おのれ! 殴り潰してくれる!」

 瓦礫の周囲、地面が隆起し、地中から機械の巨大な腕が現れる。
 更に瓦礫のフリをしていた頭部を上げて全身が地中から現れた。機械の腕、上半身の片側は機械。その機械を取り込むように全身を植物が覆っている。

―――説明しましょう。バイオスは機械と植物が融合した「G」です。機械は高い知性を持つ植物の方が支配しています。機械には強い電撃を帯びており、目からビームとして放つ電撃だけでなく、攻守を兼ねているのです。

 バイオスが機械の腕を振り翳し、ホーリーライトニングの頭上から振り下ろす。

「動かないでっ!」
「!?」

 ホーリーライトニングの声と同時にバイオスの腕は宙に固定されて動かなくなる。

「これは! 動かない……だと?」
「さっきと同じだよ。悪さしたら、めっ! ってお母さん言ってたよ!」
「小癪な! 重力子バリアか! だが、バイオスの超ハイスペック演算能力を使えば、この障壁を超えた攻撃も可能! 何故ならば、このバイオスはクイーンから魔法を賜っているからだ! 見ておれ! 操作系念力魔法!」

 バイオスと反対側、即ちホーリーライトニングの背後の地面から土砂が浮き上がり、空中で円錐状になると、彼女へと照準を合わせたドリル型のミサイルとなって放たれた。
 それは次々に、絶え間なく出現して放たれた。

「これを、弱肉強食と呼ぶ! バイオスが、好きな言葉だ!」

 バイオスが勝ち誇って笑うが、腕は一向に動かない。

「何故だ! ……まさか! この攻撃に耐えているのか?」

 土煙が舞う土ドリルの着弾地点をバイオスは見る。
 しかし、返事は土煙の中ではなく、バイオスの頭上から聞こえていた。

「当たってないよ?」
「! どういうことだ! バイオスの目はビームを放つだけでなく、一億分の一秒まで捉える超超超ウルトラスピードカメラなのだぞ! 動きが見えないなど!」
「うーん。よくわからないけど、消えて、また現れただけだから動いた訳じゃないよ」
「瞬間移動……だと?」
「うん。そうだよ! 見てて」

 ホーリーライトニングは改まって額に人差し指と中指を当てて、片手を上げて別れの挨拶ポーズをカッコよく決めると、「シュダッ!」と口で音響効果を真似て、バイオスの眼前に瞬間移動した。

「こんな馬鹿な! 消えて、現れる。……いや、一瞬だが、同時に存在していたのも見えた」
「うーん、よくわからないけど。……何か、消えて現れることはできるよ」
「…………な、な、何なんだ! そんな爾落、知らぬぞ! 重力子を操り、瞬間移動だと? ブラックホールでも使うのか?」
「ううん。使おうと思えばできると思うけど、お父さんから迷惑になる使い方はしていけませんって、おじさんと一緒に怒られたから使わないよ!」
「子どもと一緒に怒られるおじさん……だと? いや、そこではない! そこではないのだ! …………量子? あり得ない! だが、量子なのか?」
「うん。量子の爾落人らしいよ」
「!!!!!?!」

 声をあげようとしても声にならない声になるとはまさにこの事。バイオスは退避を求める。しかし、機械と植物、それぞれが逃げる要求とクイーンの命令に背いてはいけないと要求の却下をする。
 ショート寸前のところで、捨て身で倒す。という結論が下される。

「捨身! 大いなる犠牲! かくなる上は、覚悟しろ! 爾落人!」
「!」

 その時、バイオスは渾身の一撃として、目からビームを放つ。
 その瞬間、ビームは宙を舞うご機嫌な蝶を焼いた。
 刹那、ホーリーライトニングはすっと、片手を伸ばして指を鳴らした。
 指先からバイオスのビームよりも遥かに強力な荷電粒子砲が放たれる。

「ナァァァァァァァァァァァアッ!」

 荷電粒子砲はバイオスの体を消滅させ、頭部が地面に落下。落下の衝撃で頭部内部から植物と融合した電子頭脳が飛んで、地面を転がる。

『マサカ、アリエナイ! ツヨスギル!』
「もう悪さしない?」

 電子頭脳をひょいと掴んで持ち上げる。小型であるが、それでもボウリング球くらいの大きさはある。

『オイコラ、ハナセ! コレイジョウハ、くいーんヘノセンセンフコク トミナスゾ!』
「でも、虫さん殺しちゃダメだよ!」
『マテ、チョマテヨ! イヤ、マッテクダサイ! マッテェェー…………』

 ホーリーライトニングはポーイっと電子頭脳を空彼方へと投げ飛ばした。




「一旦は警戒しつつも、こちらからは攻撃の意思なしというスタンスで臨みましょう。まだ相手のことが十分にわからない内に宣戦布告と見なされる行動は控え、交渉できるように備えた上で然るべき時に対峙します」
「イエス。こちらはまだ相手の事を知らな過ぎますからね」

 勇者とロバートは既にクイーンから敵視されていることをまだ知らない。
4/5ページ
スキ