爾落転換
連合病院内。女医が閉館に向けて準備をしていた。機材の点検や資料の整理。彼女がいつもしている、いつもの光景だ。いきなり現れる爾落人を見るまでは。
「爾落人だ!治療してくれ!」
「え?」
驚く女医。ベッドにパレッタと菜奈美を転移済みの世莉。
「あなたたちここまで身分証なしにどうやって…」
いきなり現れた世莉とハイダに女医は困惑している。さらに世莉の剣幕は戦場に馴れていない彼女の恐怖を煽った。警備を呼び出そうとまで思っている。
「ここは私が」
女医の頭を鷲掴みにし、思念で従わせるハイダ。その際に二人の症状の情報も流しておいた。
「では、彼女に任せて周囲を警戒しましょう」
「あ…あぁ」