爾落転換
「やっと着いたな」
目的地に着いた男性陣。
「ついでに仲直りのプレゼントくらい買っといたらどうスか?さっきは言いすぎた、とか」
「バカ言うな。ほらさっさと買い込むぞ!」
景気よく酒を買い込んでいく3人。あれもこれもと選んでいき会計を済ます。周りの客もドン引くレベルで、あまりのハイペースさに転移を頼む世莉に呆れられるほどだ。
こちらは何店舗かハシゴしないと揃えられないと思われたが、なんと一軒で数と種類を揃えられてしまった。
「思っていたより大分早く終わったな」
「これ菜奈美さん逹より絶対早く終わってますよね?」
「今から帰るのも早い気がするしな…」
「君達、ちょっといいかな?」
屈強そうな男の二人組に話しかけられた三人。しかし人間だったため警戒はしなかった。治安当局の者だと一目で分かったからだ。
「あんたら余所者だよね?」
癖で相手の体格、武装、装備を見る八重樫。対人仕様の装備らしく、「G」絡みの事件があった場合心許ないようだ。
「最近行方不明者が多いから気をつけて。一応昼間でも気を抜かないように」
当局の言い回しに違和感を感じた八重樫。
「まるで攫われたかのような口振りだな」
「そりゃそうさ。不明者の共通点なんて女ってくらいだし、聞き込んでも自殺するような様子でもなかったらしいんだ」
「馬鹿、喋りすぎだ。三人とも、今の話は口外禁止だからな。行くぞ」
当局の兵士は去っていった。
「大丈夫かな。菜奈美さん達」
「あいつらなら大丈夫だろ。時空だぞ」
「…」
一人違和感を感じた八重樫。