本編
日が傾いた頃、ブラストボムとは別に都内で異変が起こった。
半径244m。
その範囲は何の前触れもなく、消えた。建造物も、車も、人間も。代わりにそこには大量の砂だけが残った。
周辺にいた人々は戸惑う。さっきまで確かにそこにあった何もかもが消え去ったのだから。
そこで勤めていた労働者を除いても、偶然居合わせた通行人だけで行方不明者の数は計り知れない。
警察に連絡する者や関係なしを決め込んで立ち去る者、事実を受け入れられず立ち尽くす者。そんな人々の中に1人だけ楽しそうにその場に居る女がいた。
ベイオネットだ。彼女だけが行方不明者の数を把握している。
「フフ…誰から覗こうかしら」
ベイオネットは不気味に微笑む。