本編




「グッド!!流石は四神!本当にグッドな存在だよ・・・玄武!!」




同刻。
何処かの部屋で、福岡の激闘をテレビで観戦していた大柄の男が叫ぶ。
更に男の前の机に置かれた資料には、「Gnosis」と書かれていた。











同刻、五島列島・福江島。
この島の南外れにある小さな無人島・姫神島に、1人の少女が立っていた。




「はぁ・・・はぁ・・・」




ここまで全力で走って来たからか、肩が上がる程に息を切らしながらも、少女は大人がどうにか入れる大きさである島の中央の洞窟に入って行く。
ガメラが現れたちょうどその時から、脳裏に走った「直感」をただ信じ、少女は激しく鼓動を打つ胸を左手で押さえ、呼吸を整えながら早足で洞窟の奥に向かう。




「・・・はぁ、はぁ・・・もう少しなんだ、これしきで壊れないでくれ。ボクの体・・・」




やがて少女は洞窟の奥にたどり着き、必死に地面を両手で掘り始める。
呼吸もさほど整わないまま、瞬く間に少女の手は土に汚れて行くが、それを全く気にする事なく少女は掘り続けた。




「・・・っ!」




しばらく掘り進めて現れた木箱に少女は目を見開き、直ぐ様箱を取り出して乱雑に蓋を捨て、中に入った勾玉を取り出す。
石榴(ザクロ)の勾玉は少女が手に持つや、凄まじい赤き閃光で洞窟中を照らし、目も開けられない光の中で少女の表情は歓喜に包まれていた。




「・・・やっと取り戻した、ボクの力!それからやっと会える、ボクの・・・!」




更に光に共鳴するかのように洞窟中に地響きが襲うが、少女はまるで逃げる気配が無い。
少女の眼前の壁が崩れ、現れた巨大な「鳥」・・・それを少女は待っていたからだ。




「お待たせ、やっと会えたね・・・ギャオス。」






ギャァオォォォォ・・・!
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