本編
ギザ上空まで移動したヘリコプターの中から元紀と榊原が双眼鏡で、ヤマタノオロチに対峙した宇宙戦神を見つめていた。
「今、ウツノイクサガミって名乗りましたよ」
「……そういう名前なんじゃないの」
「ありましたよね、ああいう感じのスーパーロボットが出てくる漫画って」
「あったわね。しかも、剣も持っているわ」
「浪人侍風のスーパーロボットというよりは、派手じゃないですか?」
「いいのよ、勇者で、戦士なんだから」
元紀はニヤニヤ笑いながら言った。その言動に呆れつつも榊原は冗談半分に言う。
「……きっと、技名を叫びますね」
「叫ぶわね。銀河だし」
「彼、そういうキャラでしたっけ?」
「榊原はまだ銀河との付き合いが短いわね」
「そりゃ、今日会ったばかりですから」
榊原が言うと、元紀は必死に笑いを堪えながら、双眼鏡を覗いたまま言う。
「なら、見ていなさい。そして、知りなさい。後藤銀河っていう、情に篤いどうしようもないバカをね!」
「……そうさせてもらいます」
榊原はそう言うと、双眼鏡を覗いた。
砂漠で対峙する二つの「G」の戦いは始まった。
先に動いたのはヤマタノオロチであった。宇宙戦神を含めた周囲一面を吹き飛ばす電撃が放たれた。
「ぐはっ! ……ちっ、やっぱりガラテアはガラテアかぁ!」
片膝と剣を地面に突いて、衝撃で後退する全身を堪えた。剣を地面から抜くと、飛び上がり右上に構えた剣をヤマタノオロチに振り下ろす。
「ゴォゴオオオ!」
「でぁああああ! ……一本目ぇ!」
ヤマタノオロチが反撃する前に、振り下ろされた剣はその首の一本を切り落とした。
「! ……ぐはぁ!」
地面に着地した宇宙戦神だったが、他の首が同時に炎を吐き、更に追い討ちとばかりに加えれた頭突きによって突き飛ばされ砂漠を転がる。剣が手から離れ、転がる。
「ちっ……やるじゃ……ねぇか! 抑止ってのも、攻撃している間は使えないみたいだしな? ラムセスの記憶で、剣技には自信あったんだけどな? ……やっぱ、俺は俺だなぁ?」
「ゴォゴオオオ!」
「何語だ? ……日本語話してみろぉおおお!」
宇宙戦神は拳を握り締めヤマタノオロチの懐に潜りこむ。攻撃に気を散漫させていない為、抑止の力が発揮される。
そして、渾身の拳をヤマタノオロチの首の付け根に打ち込む。
「ゴォッ!」
「……まだだ!」
呻き声を上げたヤマタノオロチに更に、拳を戻す勢いを使い、左回し蹴りを腹部に食らわせる。だが、その一瞬に抑止が弱まる隙が生まれ、四肢を四本の首に噛みつかれる。
「しまった!」
「ゴォ………ゴッ!」
残りの三本の首が炎を吐こうとしたが、間一髪で抑止の力を発揮し、攻撃を止める。
しかし、噛み付かれた四肢はそれ以上の負荷がかからないだけで、放しはしない。
「だったらぁ……魔砕天照光ぉおおおお!」
「ゴォォォッ!」
銀河が叫ぶと、宇宙戦神の額にある太陽を模した飾りが輝き、光線が放たれた。光線の直撃を受けたヤマタノオロチの中央の首が一本吹き飛ぶ。それに連動して、四肢を咥えた口が離れ、宇宙戦神は空中に飛び上がる。
空に浮かぶ宇宙戦神にヤマタノオロチの炎が一斉照射される。
「時裂空斬波!」
炎が襲う直前、宇宙戦神の周りの空間がゆがみ、その炎をはじき返した。反撃を受けてヤマタノオロチが怯んだ隙に、すばやく身を翻した宇宙戦神は砂漠に落ちたままになっていた剣を掴みとり、横へ飛んだ。
それに気がついたヤマタノオロチが衝撃波を口から次々に放つ。
「くっ! 効くかぁああああ! 魔砕天照光ぉおおおお!」
「ゴォッ!」
宇宙戦神は剣を振るい、衝撃波を弾くと、再び額から光線を放った。
同時に、ヤマタノオロチも口を開き、反物質を生み出し、激しい閃光と衝撃を起こす。
「うぁあああああ!」
力負けした宇宙戦神は勢い良く吹き飛び、最終防衛線の手前に転がる。
「痛ぅ……! ゲッ、撃つなよ?」
銀河は目の前に並んだ戦車を見て言った。それに、ポカンと見ていた部隊長らしき男が拡声器で叫んだ。日本語だ。
「ガンバーレ! スキヤキ! サムラーイ!」
「……ふっ、おぅよ! サムライスピリッツを見せてやるぜぇ?」
宇宙戦神は起き上がった。最終防衛線の兵士達から歓声が上がる。
「ガラテア……、目を覚ましてやる! 後もう少しで……後もう少しで、俺の力が通じる!」
銀河は己自身の闘志を奮い立たせ、飛び上がった。
再び前進し始めたヤマタノオロチに向かって、宇宙戦神は突っ込む。
「魔砕天照光ぉ…連射ぁあああああ!」
ヤマタノオロチに向かって鋭角に突っ込みながら、宇宙戦神は光線を連射させる。
そして、ヤマタノオロチにぶつかる直前、宇宙戦神は空中で回転し、ヤマタノオロチの後方をとった。
「後ろが、ガラ空きだな? ……えっ?」
ヤマタノオロチの背中に巨大な巻貝の殻のようなものが付いていた。しかも、それは少しずつ大きくなっている。
「何だ、アレは? 俺の……旅人の記憶にも、オロチの背中にあんなものはなかったぞ?」
銀河が驚いていると、ヤマタノオロチに背中ある貝殻から、橙色の触手が伸び、宇宙戦神に襲い掛かる。
ギリギリのところで触手を回避するが、触手の先にある爪が割れ、突風が放たれる。
「くっ! ……まさか、魔都でコイツと戦っていた女か?」
「ゴォゴオオオッ!」
銀河が呟いた瞬間、ヤマタノオロチが呻き声を上げた。
残っていた六本の首が風化して消滅していく。尾を見ると、尾も同様に消滅していく。
「な、……何が?」
言い知れぬ危険を察した銀河は、すばやく宇宙戦神をヤマタノオロチから離れる。
ヤマタノオロチは悶えながら、消滅していく。しかし、巨大な貝殻は変わらない。
そして、ヤマタノオロチの首の付け根からガラテアの姿が現れる。
「ガラテア!」
「………」
銀河は叫んだ。しかし、ガラテアは瞳を閉じたままで体の半分以上がまだヤマタノオロチの姿のままだ。
「……やるなら、今か! 聞け、ガラテア! お前は、変化の爾落人、ガラテア・ステラだ! お前はヤマタノオロチでも、破壊神セクメトでもない! その姿は偽りだ……消えろ!」
「!」
刹那、残っていたヤマタノオロチの体は消滅した。そして、ガラテアと巨大な貝殻が空中に残り、落下する。
「届けぇえええええ!」
宇宙戦神は手を伸ばし、ヘッドスライディングした。砂が巻き上がり、宇宙戦神が光に包まれた。
舞い上がった砂煙が薄まり、宇宙戦神を包んでいた光も消える。
砂漠には、アマノシラトリが倒れており、そのくちばしの上には銀河がガラテアを抱きとめていた。
「危なかった………」
「……銀河殿、再生されたのだな?」
「あぁ、お陰で全て思い出した。俺の生まれた意味も、生きている意味も、そして俺が何者であるかも」
「そうか。よかったな、銀河殿。教えてくれ、あなたは何者だ?」
「俺は俺だ。俺は真理の爾落人、後藤銀河。それ以上でも、それ以下でもない」
「うん。……あなたはあなただ。思い出したのだな」
「あぁ」
「流石に寒いな」
ガラテアが言った。裸なのだから当然とも言える。銀河はマントを脱ぎ、ガラテアを包む。
「すまない。……これ、あなたの大切なものだろう?」
「あぁ。大切にしてくれよ?」
「わかっている。……それよりも、銀河殿」
「あぁ」
二人は巨大な貝殻を見つめる。貝殻はゆっくりと彼らの前に、降り立った。砂が舞う。
「うわぁあああ!」
「人?」
「だな」
貝殻の中から人が転がり落ちてきた。銀河とガラテアはアマノシラトリから降り、倒れた人に近付く。
「……この者は」
「知っているのか?」
「うわっ! 怪物!」
「……失礼だな? お前、誰だ?」
「さ、サーリム・アッドゥーヒー……。考古学者で、麻美という男と一緒に」
「あぁー、つまり巻き込まれてそのままずるずるといたわけだな?」
「そう言われてしまうと返す言葉が……」
銀河に言われて、サーリムはどもる。その表情にかなりの疲労が見て取れる。
「とりあえず、災難だったな? ……アレは、麻美帝史の娘だな?」
「はい。……彼はイリスと呼んでいましたが、麻美睦月という彼の娘です」
「私がヤマタノオロチになった後、あなた達と共に私の背中に取り付いて力を吸収していた」
「……やはり吸収の力か」
「えぇ。銀河殿が真理の力で私のヤマタノオロチの力を消し去らなかったら、多分私は全てあのモノに吸収されていただろう」
「そうだな。……さて、ガラテアの力ってことは、単純に変化の爾落を吸収しただけじゃないってことだな?」
「だが、やる価値はあると思う」
「だな」
銀河は息を吸い込み、大声を上げた。
「麻美睦月、いやイリス! お前は既に死んでいる! 朽ちろ!」
「……やはり、如何に真理と言えども、今の銀河殿では限界があるか」
「そうみたいだな?」
銀河はイリスを見つめて言った。銀河の本来の力は、真理。人の心理のみではなく、万物の真理を操る力である。クマソガミやプルガサリを消滅させた力も、能々管を介して心理が真理に近い力を引き出したものである。また、ラムセス1世がガラスを水の様にしたのも真理の力である。
しかし、グエムルやヤマタノオロチを消せなかった様に、銀河の真理は万能ではない。かつて『神々の王』となった時、その力をガラテア、ラムセス、アマノシラトリ、蛇韓鋤剣、能々管に分散させた為、使える力に限界ができてしまった。物質的に存在しない心理に関するものならば、ほぼ万能に使えるものの、物質的に存在しているものに対してはその効力に限界があるのだ。その為、モノの概念に関する真理の優先度を変える程度のことになる。存在の消滅ではなく、一時的な封印や性質の強調などの限定的な真理の操作を行うことしかできないのである。
そして、真理の一部であるモノの変化を司るガラテアの力の一部を吸収したイリスには、変化の一端である死や腐敗に関する効果が通用しなかったのだ。
「後藤銀河君だね……。一応、久しぶりと言っておこうか?」
貝殻の中から麻美の声が聞こえた。銀河は言った。
「麻美帝史だな? 韓国以来だな?」
「そうだね。あの時、一瞬自分の若い頃の顔に似ていると思い、後藤銀河という名前が気になったのだが、キミが余計な事をしたからね」
「興味をなくせって言ったことの影響だな?」
「そうだ。……お陰で、韓国でキミのことを追うことなく帰国してしまった。蒲生君の話に出てくるまで思い出すこともなかったよ。しかし、まさかキミが旅人、サンジューローとは、今でも信じられないよ」
「……俺もだぜ? 俺の力の…、「G」の謎を求めてきた。それが、まさかこういう結果になるとはな? 因果応報というべきか?」
「それを仕掛けたのはキミだろう? お前が、貴様が真理さんの命を奪った! そして彼女の愛を君は息子として受けた。……僕から奪ってね」
「だったら、何故クローンなんて作った? その子は母さんじゃない!」
「真理さんを僕から奪った貴様が言うな! 諸悪の根源はお前だ、爾落人! イリス……あの男を殺せ!」
「ほう」
麻美の荒れた大声と、睦月の高い声が砂漠に轟いた。
次の瞬間、巻き貝状の姿は複雑に変形を始め、突起が至る所から伸び、その隙間から生えてきた触手は幾重にも束なり、そして分裂し、更には内側から光る結晶体が現れた。そうして徐々に形成される形は、貝の姿ではなく、二足で直立する人に近い怪獣であった。
「それが麻美睦月の正体か。……おい、お前はさっさと離れろよ? ガラテアも」
銀河はサーリムを見て言った。しかし、ガラテアは首を振る。
「銀河殿の気遣いは嬉しいが、私は大丈夫だ。私も銀河殿と、いや主殿と戦います」
「……わかった」
銀河は頷いた。
そして、銀河はサーリムが離れたのを確認すると、ガラテアと見合わせた。そして、彼は叫んだ。
「ガラテア、アマノシラトリ、……シンクレティズム!」
「シンクレティズム…、神々が混同または同一視される現象の呼称か。『神々の王』と言うだけはあるな。……だが、僕は如何なる神であろうと、君を許しはしない!」
光が収まり、再び現れた宇宙戦神に、怪獣、イリスから聞こえる麻美の声は言った。
先程より刃が長くなった剣を宇宙戦神はイリスに向ける。
「なら……、刃を交えるまでだな?」
「死ぬ覚悟は大丈夫かい?」
「いや。俺は生き続ける覚悟をしたぜ?」
「それは、判断を誤ったね、爾落人よ。行けぇ、イリス!」
麻美に声を受けたイリスは、両肩から伸びる触手の先端から紅蓮の熱線が放たれる。
「時裂空斬波ぁ! ……くっ!」
宇宙戦神はバリアを張った。しかし、熱線はバリアよりも一瞬早く届き、宇宙戦神を吹き飛ばす。
宇宙戦神はそのまま背にそびえていたクフ王の大ピラミッドにぶつかり、巨大な石の建造物を破壊する。
「ちっ! ……やるな。だが、俺は負けない! 魔砕ぃ天照光ぉぉぉ!」
宇宙戦神はピラミッドに倒れたまま光線を放った。光線は砂漠、そして空を割く。しかし、直撃を受けたイリスは複数の触手の先端から張られた電撃のバリアで光線を防いだ。
「先よりも光線の威力が上がっている。……ガラテア・ステラが加わった影響か」
「そっちこそ、技のデパートだな? それに、ヤマタノオロチから吸収した化学変化によって、技の威力を底上げしてるな?」
「問題ない、銀河殿。私の力は変化だ。私の力を完全に吸収しない限り、その力は無くならない」
「逆に言うと、あいつもお前と同じだけの力を持ってるってことだろ?」
「う……それは……」
「なんにしても、お互いの力は強力になっても、その差はないってことだな? さぁ、どうする? ここからが本番だぜ?」
ピラミッドから身を起こすと、宇宙戦神は剣を構えて言った。
「なに、君を倒して、『神々の王』の力そのものを吸収すれば、全てを手に出来る。……僕が不老不死になることも!」
「! ……おい、そいつの心を取り戻すんじゃないのか?」
「何を言っているんだい? イリスに心はあるよ? そして、力も、不老不死の美しい肉体も……」
「………お前、もうそいつを娘だと思っていないな?」
「何を言っているんだい? イリスは、真理さんの生まれ変わりで、僕の愛するモノだよ?」
「……そういう事か。結局お前は母さんも、睦月も関係なかったんだな? お前は自分が満足の出来る為の愛するモノがいればそれでよかったんだな?」
「知った様な言い方を……! イリス!」
麻美が声を荒げた。
イリスの触手が何本も伸び、その先端から電撃が宇宙戦神へ一斉に放たれる。
「ホゥ……!」
「こっちも電撃だ……覇帝紅雷撃ぃぃぃぃ!」
イリスは睦月のものより深い咆哮を上げ、電撃を放つ。しかし、宇宙戦神は剣を顔前に構え、剣先に左手を添える。剣の刃が赤く発光し、刃から電撃が放たれた。ヤマタノオロチが使っていた電撃と同じものだ。
二つの電撃が衝突し、閃光が迸った。
「うぉおおお! 覇帝ぇぇぇ紅嵐舞っ!」
閃光を目眩ましにして、宇宙戦神は飛び掛かり、同時に剣をふるいながら叫ぶ。剣は赤く発光し、剣撃は真空の刃となってイリスを襲う。
しかし、イリスは触手をわざと斬らせ、その攻撃の隙に宇宙戦神の脇腹を矢尻状の触手が貫く。
「ぐはぁっ! ……畜生ぉ! ………!」
「ホウ……」
「っ! 抑止の力か……だが、君も動けまい!」
「どう……かな?」
宇宙戦神は脇腹を貫く触手を握る。
「時裂空斬波ぁぁぁぁぁぁ!」
「何っ!」
宇宙戦神の周囲にバリアが張られた。触手はバリアによって切断され、切れた触手を脇腹から引き抜いた。
そして、剣を地面に突き刺し、空いた片手で引き戻る触手を引っ掴んだ。
「逃がしはしないぜぇぇぇ?」
掴んだ触手を鞭の様に一気に振るい、イリスの体を引っ張り寄せる。宇宙戦神は近付くイリスの脇腹に左手に持つ切れた触手を突き刺し、手を放すと拳を握りしめる。
「歯ぁ食いしばれぇぇぇぇ!」
宇宙戦神の渾身の左正拳突きがイリスの頭部に炸裂する。
しかし、イリスは一歩後退るが、宇宙戦神の背中にしなった触手が叩き付けられる。触手が手から離れる。
「がはっ! ……やるじゃ、ねぇか? 覇帝……紅嵐舞っ!」
背中を叩かれ足元がふらつくも、剣を地面から引き抜き、身を翻しながら真空の刃を放つ。
しかし、イリスは真空の刃を受ける前に空中に飛び上がった。同時に、触手が広がり、二対の薄膜状の羽が展開される。
「女性を殴るとは、君は最低な男だね。とても僕のクローンを元にしたとは思えない。……そうか、所詮君はただのニセモノなんだ。ニセモノは……消えろ!」
「ぐっ! ……まさか、真理?」
「いや、まだ心理に僅かな影響を与える程度だ。……主殿の分身である私を吸収し、今宇宙戦神の力を僅かにも吸収したから」
「そんなの……、俺は消えない!」
「銀河殿、この戦いはどうやらあなたの個人的な過去に決着をつける戦いではなくなってきたようだ。……元々彼は王の力を手に入れている。そして、『神々の王』の力の一部を持つイリスと彼は今、私達と近い状態になっている。もし、私達が負けてイリス殿が私達の力を吸収したら、本当に彼は『神々の王』になってしまう!」
「つまり、俺達が勝たないと世界を滅亡させる程の力をあいつに与えてしまうってことか?」
「そうだ」
「なら、簡単だな? あいつに勝てばいいだろ? 元々そのつもりだ、全く問題ないぜ?」
「君は勝てない! 勝つのは、僕だ!」
「俺は勝つ! 負けはしない!」
宇宙戦神はイリスを追って飛び上がった。