本編
「あっ、到着しました。あそこです!」
「お~っ、ほんまや!ありがとうな、春華ちゃん!」
「いえいえ。私もこの町に用事がありましたし。岸田さんもこの臥龍町を楽しんで下さいね。それでは、私はここで。」
「おう!また京都市にも遊びに来てな!じゃあな~!」
その頃、京都府・臥龍町。
この町にGnosis運転士である岸田月彦が訪れていた。
ここまで案内して貰った女子高生・麻生春華に別れを告げ、岸田は目の前に広がる巨大な水族館を見上げる。
水族館の名は「アクアマリン・アクアリウム」。
先日、旧・高階水族館をリニューアルする形でオープンした、京都の新しい観光名所になると期待されている施設だ。
「それにしてもおっきいな~!どんな海の生き物がおるんか、楽しみやで!」
関西にいるからか、突っ込み役の首藤・引田がいないからか、コテコテの関西弁で岸田は喋り続ける。
予定していた調査が中止になった事で、今日が休日になったのを利用し、彼はこの京都へ旅行に来ていた。
「それにしても、春華ちゃんが言ってた『インファント島って島に伝わる「守護神最珠羅」が「G」かもしれない』なんて初耳やったな。まるで、最初からこの事知ってたみたいな・・・しっかし、「最珠羅(モスラ)」?名前聞くに蛾みたいなイメージが浮かぶねんけど・・・まっ、帰ったらリーダーに相談しよ。」
仕事柄、ついつい癖になってしまっている「G」への考え事を中断し、岸田は水族館の入口に向かう。
だが、入場する前から岸田はこの水族館に対して驚愕する事となった。
「いらっしゃ~い♪」
――・・・えっと、受付にあきらかおかしい格好したオカマがおる・・・!
これが、最先端の水族館なんか!?