予告編集






ある日の朝、遥は自宅の門の前にいた。
外の空気はひんやりとしており、長袖の上着から出した手を少し震わせながら門のポストに入っている新聞を取ると、急いで家の中に戻る。



「ふう、けっこう寒かった・・・でも、これで一番乗りね。」



それから居間に移動した遥は上着を脱ぐと急いで新聞を広げ、まず最初に見ている番組欄には目にも暮れずに新聞を捲る。
そしてその手は、あるページで止まった。



「あっ、あった!」





同刻、自衛隊本部の宿舎にいた瞬もまた新聞を手にしていた。
だが持っている新聞には広告が入っておらず、部屋の端で丁寧に畳んで詰まれてある新聞とも違う会社のものだ。
瞬の持っている新聞は、日東新聞だった。



「全く、偶然東が日東を取っていて、しかも新聞を朝早くから取りに行く性格だったから良かったものの、そうでなければ『朝一で見てくれ』なんて不可能だったぞ・・・」  



愚痴を溢しながら瞬は新聞を広げると、やはり番組欄では無く違うページを開く。
ページには日替わりで違うジャーナリストがコラムが書くコーナーがあり、今回は志真がコラムを書いていた。
そう、瞬と遥は昨晩志真からの電話を受け、是非自分の記事を見て欲しいと頼まれていたのだ。



『頼む!明日の朝刊に乗ってる俺の記事、朝一で見てくれ!絶対に、損はさせないからさ!』



志真が2人に自分の記事を見て欲しいと頼む事は珍しく、遥は一つ返事で快諾し、瞬も少々不本意ながらも見る事にした。
こうして2人は今、同じ日東新聞の、同じ記事を読んでいるのであった。



「ふむ・・・」
「えっと・・・」



『発見!最強喧嘩少年!かつてこんな少年が存在しただろうか?50mを6秒で走り、14人の荒くれ者をたった1人で下し、怪獣にさえも啖呵を切る少年が!だが、そんな少年が新潟の小さな村には存在した。走る姿は風の如く、拳を振り上げる様は修羅の如く。しかしその力は、大切な者達を守る為に・・・
今から話すこの物語は、「英雄」を見失ってしまった人達にこそ見て欲しい、とある少年の物語。その少年の名は・・・』



「・・・あいつか。」
「・・・あの子ね。」



瞬と遥は少し懐かし気な表情を浮かべ、志真の記事を読み始めた。
辺境の地で彼らが出会った、その少年とは・・・



新世紀超怪獣大戦
~the next 「G」~




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