「G」vsディアボロス


〈あとがき〉

 まずは、読了いただき、本当にありがとうございます。そして、お疲れ様です。
 総文字数、約26万文字でした。30万文字には満たないから許して下さい。

 触れるべき話題が多すぎて何を書くか。悩みますが、とりあえず今回は構想からプロット作成だけで半年、執筆は約10ヶ月とかなり練りに練った作品です。勢いだけで書いた前作とえらい違い。
 お読み頂いた方はお分かりいただけることと思いますが、多分もう二度とこのレベルは書けないんじゃないかというくらい、色々なものを注ぎ込みました。next「G」15周年と言いつつまだ14.5年という中途半端なのも15周年を迎えてからでは書けないだろう。ならば、今書こう。そう思って書いた作品です。
 2008年って、この前の様で物凄い昔ですね。まだまだガラケー全盛期、地デジでもない。同時は大学生でニコニコ動画やmixiやってました。それが、いつの間にか世界はパンデミックに見舞われ、NATOとワルシャワもとい、ロシアのウクライナ侵攻もギリギリ世界大戦に波及しない中で踏みとどまっているところもある不安な状況です。これが15年かと思い知らされます。社会人どころか、家庭を持ち、まもなく更にもう一人家族も増えようとしている。いやはや時の流れには驚きます。

 さて、どこから触れましょう。
 そうですね、元のコンセプトから。元々は原点回帰で健の元ネタのネタをやりたいという理由から、もうそろそろ風呂敷広げられない現実世界から仮想世界を舞台にしました。そして、もう一つがnext「G」の世界観が何者かの陰謀でタイムマシンをエマーソンが開発させられるように仕掛けないと成立しないことに気づいたこと。睦海が歴史的に重要な存在になっていること。
 そこから何度かプロットを練り直し、今の形になりました。かなり細かいプロットも練り、途中で執筆が止まってもすぐに続きから書けるレベルで詳細を詰めました。
 WFOは自衛官になった睦海がやり込みそうなゲームというコンセプト、怪獣が出せる設定で考えました。某洋ゲーをベースにしてますが、同社のファンタジーゲームもかなり影響を受けてます。人狼とか。
 ちなみに、モブはネタしか考えてません。後半になればなるほど、酷いと思ってます。あ、序盤も酷いな。声優ネタなど。
 そして、今作の特徴として、とことんスクリーンで作品を見ている視点で読者には見てもらうことを意識してます。特撮の舞台装置や演出を意図的に描写している他、キャラクターの振る舞いの中には演者がやった予定外の動き、つまりアドリブで採用されたと思われる言動も仕込んでいます。最後に出たジローはやり過ぎですが。白嶺、鈴代、ラパサナ、局長、ジローは演者設定があります。銀魂かヨシヒコかみたいな組み合わせですが。
 つまり意識したのは、特撮パートは川北組、ドラマパートは福田組という景色です。
 あと冒頭に入れたイラストはラストシーンの為のミステリードです。ついつい色々なところで、イラストの話を出しかねないので。
 まぁ、15周年を迎えたタイミングで読了した人用のサプライズから公開情報に切り替えますが。

 先に特撮パートですが、前作はCG採用しまくった作品かな感を出したところ、今作はvsシリーズの演出をフル投入したイメージで描写しています。
 オリジナルの怪獣は別作品からと没ネタから。カマロイアに至っては小学生の頃に食玩のレギオンとデストロイアのフィギュアを合体させて作った怪獣です。
 三八式は満を持して登場。プラモで再現したいものの末端価格が高過ぎてまだ実現せず。
 しらさぎも同様です。元々機龍どんだけ重いと思ってんの!? というのを運ぶしらさぎ。といいつつ、構想段階ではvsコングの輸送機レベルで考えてました。でも、やっぱり重すぎじゃね?と思い、しらさぎを採用しました。

 ディアボロスは元ネタは人工知能に進化する人工生命の一種です。マイナー漫画を組み合わせた二次創作で使ったものをブラッシュアップしました。
 進化ややってることはディアボロモンです。

 そして、デルタ!
 誰だ? ゴジラ・アクアティリスと言った奴!? こっちの方が十数年前に考えた怪獣じゃぁぁぁあっ!
 はい。元々はゴジラ[2005]という最初に手がけた二次創作の続編予定だった、Δ[2006]で前作から生き残ったゴジラと戦艦おおとと三つ巴で戦う予定だった怪獣で、岩戸島沖で使用されたもう一つのオキシジェン・デストロイヤーの力を得て誕生した別の姿になったゴジラです。万物破壊光線や切断攻撃と海の中での戦いでは敵なしです。
 これを出したくて書いたところも正直あります。
 昨年のゴジラsp.でアクアティリスを見た瞬間に、アイディアをパクられた!?くらいに思ったのを覚えています。まぁ、発想がどこまでも似ていたんでしょうね。猟友会使ったりね。
 アンギラスは一番苦戦しました。sp.アンギラスと違うベクトルで何かさせたかったというのがありました。遠隔攻撃など、色々没を出して、最終的に落ち着いたのが、音による攻撃でした。

 超ゴジラは最早ネタです。兎に角、強くなり過ぎたデルタをも一蹴して許される圧倒的なゴジラを考えたらやっぱり、コレだろ?となりました。酒を飲みながら。

 それから、謝辞です。
 睦海のイラストを描き下ろして頂きました柳星張さん、今回の依頼を快諾頂き、本当にありがとうございます。オーダーをして完成したイラストを見た瞬間は数回尊死ループしました。今後のご活躍も応援しています。

 ちなみに、オーダーとラストシーン執筆に際しては度々ダイナゼノンの聖地をロケハンしてます。ガルマさんの住んでた京成線の高架下、工事されて道が変わりました。
 睦海については、もう今更書くこともないってくらい書いたので、これくらいで。

 白嶺は演者ネタ盛り沢山です。ちゃんと(?)白目を剥いて痙攣させました。芹澤やったなら尾形もやらせちゃえ!的な発想です。
 合わせて鈴代ですが、カイジより月や藁の楯とか寄りのクズを目指しました。スーツ姿は某企業のCMのイメージです。実は知人がモブを演じてます。
 俳優さんで一番好きです。結構出演作はチェックしてます。
 ちなみに、白嶺達の名前は七草です。

 将治のファミリーについてですが、正直悪ノリと睦海イラストの為のミステリードという目的が強いです。アンナは将治が親バカになりそうな娘とイメージした結果。将治の好みが案外シエルなんじゃね?という勝手な考えから。
 そして、徹底的に伏せ、台詞だけがちょっと出ただけですが、将治の妻のイメージ、実はあります。昨年の映画でも注目を集めた『領域外の妹』です。咳き込んでないですし、中学生の姿に体が縮んでしまった訳でもない。あくまでも雰囲気のイメージです。
 「やっちまいなぁ!」はキルビルですが。

 22世紀についての世界観についてはぶっちゃけドラえもんです。でも、タイムマシンの理論は持論です。
 仮想世界は最早細かく設定しすぎて、ここで説明しきれません。何か気になることがあれば、質疑応答をしますので、宇多瀬へ問い合わせをお願いします。

 あと、描写のないところで実はモスラも全く別で怪獣と戦っていたり、宇宙での怪獣との戦いなども起きているというのは意識してます。
 光学通信接続も宇宙空間で通信とエネルギー供給を行う為のもので、サイバーエネルギーフィールドの光線版です。イメージはガンダムXのサテライトキャノンや機龍のマイクロウェーブです。
 機会があったらドラハンかフォレストファンタジーの世界観で大立ち振舞いする睦海達も描いてみたいなとは思います。

 あとはちゃんと細かい設定も落とし込むようにしましたが、所々理解できるだろ? とわざわざ説明をしていないところもあるので、質疑応答には応じます。

 ではでは、本当に読了ありがとうございました。

2022.4.16 宇多瀬






〈Illustrator comment〉



ゴジラと通じて、宇多瀬さん達ゴジラ仲間と交流してきた幾年月。
集まってゴジラトークで盛り上がったり、知らない東京の地ではゴジラのイベントに先導してもらったのを覚えています。

ABJDSでは色々絵を描かせて頂きました。
「あの頃の私より今の私の方が上手い!」などと不毛なマウントをとりつつも、水彩の淡さと白黒のメリハリは今も好きな画風です。

現在はイラストに関わる職についていますが、流石に推し怪獣の名前で仕事するわけにはいかないので別名義です。
そういった職業柄、二次創作で絵を描くのはモラルの関係からとめています。ゴジラも例外ではありません。
皆が作品への好きな気持ちを二次創作で昇華している中、自分もそこに混ざりたい、大っぴらにやらなければいいのではないかと思うこともあります。

私生活が忙しくなったことに加えパンデミック等、益々同志の皆さんとご無沙汰状態。
そんな折、宇多瀬さんがイラスト制作の依頼をしてくれました。
それが終盤を飾らせて頂きました、睦海のイラストです。
私が二次創作をとめている事を配慮して下さった選出でした。
絵の描けるゴジラ仲間としてではなく、イラストレーターのゴジラ仲間としての依頼です。それに応えるべく、当時の作風も残しつつ、現在の力を尽くしました。

そして脱稿のご連絡では怪作と謙遜されてましたがどう考えても超大作の力作…
いや怪獣の超大作だから略して怪作だとすると合ってますね。

改めまして宇多瀬さん、そんな怪獣の超大作の挿し絵を描かせて頂きありがとうございます!
そしてまたリアルで皆と怪獣トークで盛り上がる日を夢見てます!

柳星張
2022.4.18
43/43ページ
スキ