Time axis of「G」
数日後
旧新潟市内のとあるビル
「本当に行くんだな。」
ガダンゾーアが近くにいるという情報もある。あまりのんびりしていられない。
「でも、これから行く時代には、中学生の頃のおじちゃんや麻生さん。それにみどりさんもいるんだよね……」
「ああ。だが勘違いしちゃいけない。亜弥香が言っていた事をもう一度言う事になるげどな。」
ガグゥゥゥゥゥゥゥゥン
地響きが聞こえた。ガダンゾーアが現れたらしい。
「睦海、これからする事は歴史を変える事ではない。」
「歴史は変わらないの?」
「歴史は無数の事象が紡ぐものだ。その事象は世界そのものをも含んでいる。これからする事は歴史に新たな事象を刻むだけだ。結果を変える事は歴史を変える事になり、大きな矛盾を生む。だが、過程や時間が変わろうと事象の結果が同じなら、歴史は変わらない。……少なくとも、その世界は問題なく時の歩みを続ける。」
「ガダンゾーア復活止められないというのは、そういう事なのね?」
「ああ。」
それでも、シエル、いや睦海の決意は揺るがなかった。結末は分かっていても、自分のできる事をやりたかった。
「俺は一緒に行けない。………頼んだ。」
「うん。」
ガグゥゥゥゥゥゥゥゥン
次元転位装置が起動したと同時に、凄まじい揺れがビルを襲った。
「もうここまで来たか……。睦海!早く行け!」
もう生きて睦海とは会えないかもしれない。そんな覚悟を胸に健はメーサーライフルを抱えた。
「……メーサー兵器もこれが最後か。……さぁ、来い!てめぇの相手はこの俺だぁ!」
次元転位装置に搭乗し、スイッチを押してセットした睦海。向かう先は、2009年の弥彦村。
「おじちゃん!」
「……睦海!過去で会おうぜ!」
次元転位装置は、睦海を運命の時代へ送り込んだ。
そして、4つの時間軸の先にあるのは……
next「G」の物語へ……