Time axis of「G」


「タイムワープ確認。」

 エミー達はI-Eの動きを追っていた。エマーソンの研究所には先に向かっていた。しかし、既に遅かった。エマーソンは研究所を捨て、どこかに行ってしまった。勿論、研究資料が残っている訳も無く。

「あのコンピューターとアンドロイドが再びタイムマシンを使用した。どうやら、私たちの敵になりそうなのはあのアンドロイド達のようね。」

 研護は絶句していた。何を信用すればいいのか分からないレベルにまで事態は進んでいるらしい。

「桐城さん。こうなった以上、もう後戻りはできませんよ。あの博士は、あの爆心地で抱えていたのでしょう?コンピューターを。」
「ああ……」
「博士は何者かに襲われた。その時敵が作ったと思われる壁にできた傷は、旧式のアンドロイドが作るそれに近かった。案の定、アンドロイドを製造する工場の管理コンピューターがハッキングを受けていた。博士のコンピューターが自我を持ち、暴走したと考えられるわ……」
「教えてくれないか?俺はこれからどうすればいい?」
「寺沢さんの知り合いなら……今の歴史が既にタイムパラドックスの干渉を受けた時代であるというのはご存知よね?」
「ああ……寺沢の奴から聞いた。ゴジラの存在が一度消えたと……」
「塗り替えられた歴史をもう一度上塗りさせるには行かないの。確かに、一度塗り替えたのは紛れもなく私たち、いや私なのよ。」

 エミーは思い出していた。このkidsの中で、エミーは歴史を変える事をした。その事を悔いてはいなかった。しかし、同じ事が繰り返されるのは許されない事だと考えている。

「けど、時間の波は感知できても彼らの基地までは分からない。ならせめて、彼らに関する事を調査しながら、彼らの行動を監視する。事態が収拾できるレベルになるまでね。それまでは家には帰れない事は覚悟してね。」
「え?」
「恐らく、彼らのアンドロイドは殺人マシーン。もし今回の事に桐城研護という人間が関わり、タイムマシンの実験を見られたとなれば、彼らは手にかけるかもね。あなたやあなたの家族も。情報漏洩した可能性がある対象としてね。家族の命が惜しかったら、いいわね?」
「ああ。覚悟はできている。」

 家族とはしばらく会えない。しかし、研護に迷いは無かった。

「未来を守らせてくれ。子どもたちのために。」
「その想い、必ず遂げさせてみせる。」

 エミーと研護は固い握手を交わす。

「とりあえず、あなたが見た怪獣が次に現れた時代と場所に行きましょう。」

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