Time axis of「G」
暗雲に包まれていた。インファント島は嵐に襲われていた。気象コントロール装置がガダンゾーアに破壊され、天変地異が起こっている。最早、残された文明すら海中に没する運命にある。
「……I-Eのメモリーにあるインファント島とは様子が著しく違っているようだ……」
「オリハルコンの神殿へ……」
I-Eの記憶を元に神殿に走り出したαとβ。しかし、木々も倒れていつ、道が更に入り組んでいた。アンドロイドである2人には何の影響も無さそうではある。
「……予測不能事態。」
想定外だった。あのオリハルコンの神殿は崩れ去っていた。何かがそこから這い出したような跡はある。しかし、それにしてはあまりに巨大過ぎる。
「I-E……全ての事象が計算外方向に在る。事態の修正を……」
『オリハルコンと同エネルギーと思われる存在を、北緯零度にて確認した。再度タイムマシンを使用、座標を指定地域に移動させよ。』
一方、島の祭壇にて翼を広げてとまっている怪獣がいた。この島の守護神モスラだ。今、モスラは産卵の儀の最中だ。
世界は破壊し尽くされ、このインファント島の中心部だけが破壊を免れていた。モスラに祈りを捧げている人々。
カクゥゥゥゥン
モスラの全身から光の粒子が飛び上がった。絶え間なく放たれる粒子は、モスラの前にある祭壇に集まり、1つの形を作っていく。
モスラの体力は限界だった。ガダンゾーアをインファント島から追い出すべく、激しい戦いを行った。バトラと協力し、何とかガダンゾーアを撃退する事はできた。しかし、モスラが受けたダメージは計り知れない。
カクゥゥゥゥン
最後の粒子が降りて、巨大な卵がその姿を現した。喜ぶ人々とは裏腹に、モスラは力尽きようとしていた。
カクゥゥゥゥン
モスラは最後の力を使い飛び上がった。二度と帰らぬ戦いへと飛び立った。