Time axis of「G」


2006年


東京臨海副都心



『我らの新たな拠点となる……』

 エマーソンの研究所を飛び出し、この時代、この場所に転移したI-E。そこには、新たな器となる自らが用意した巨大コンピューターがあった。I-Eの演算能力を数倍にも高めるコンピューターだ。

『あの施設にこれほどのコンピューターがあったとは……しかもこの時代の東京なら、地下に潜り込むのも容易だった。全て計算通り。』

 I-Eは確信していた。いくらこれほどの演算能力を有していても、オリハルコンの力を完全に理解するには、長い時間を要する。その間、エマーソンに消息を知られずにいるには、どこにいればいいのか。
 答えはここだった。ゴジラのメルトダウンから10年経っているこの臨海副都心。復興と共に再開発が進められているこの場所なら、逆に誰も探しに来ないし、エマーソンもここだとは思わない。


『だが迂闊だった……我々はエマーソンからオリハルコンを奪うのを失敗した。』

 I-Eの目の前には、αとβが入っているタイムマシンがあった。

『α、β。再びオリハルコンを我が手にするのだ。』
「了解。」

 I-Eはαとβが乗っているタイムマシンを動かした。αとβが光に包まれてていく。

「再びオリハルコンを手に入れる為、私とβは1万2千年前へ……」
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