Time axis of「G」
中東のとある山奥
エマーソンは着々と、タイムマシンの準備を進めていた。中東のこの場所なら、実験そのものの存在を察知される心配は少なく、それでいて十分な広さの実験場を確保できる。
「I-E、頼んだよ。今から1万2千年前だ。」
『1万2千年前……』
I-Eに与えられた好奇心。それはいつしか、エマーソンの心の中に興味を抱くようになった。何故エマーソンはこの研究をしたのか。何故1万2千年前なのか。
「準備はいいかい?」
『準備カンリョウ。いつでもドウゾ。』
そうか、と頷き、エマーソンはタイムマシンのスイッチを押した。
「うおっ!?」
タイムマシンの放つエネルギーは想像以上だった。タイムマシンの中にいたエマーソンにはわからないが、外では大爆発のような事が起こっていた。
「凄まじい……時を超えるとはこういう事なのか……」
エマーソンは感無量だった。長年の望みの1つを叶える事ができた。しかし、エマーソンの本来の目的から言えば、まだこれからが本番だ。
『…………』
I-Eは気にしていた。エマーソンが1万2千年前で何をするつもりなのか。
「まずい事になったわね……まさか21世紀にタイムマシンが……」
「Search。古代文明の時代デス。」
「その時代って……」