Time axis of「G」
「完成したか……」
この研究にどれだけ時間を費やしただろうか。辛い思いもした。しかしようやく完成した。エマーソンの研究の集大成の一つ、I-Eは。
『……キドウを確認。ワタシは……』
「目覚めたか。君はI-Eだ。私が作り出した人口知能だよ。」
『ジンコウチノウ……』
「私の長年の研究を実行するのには、君の協力が必要なんだ。」
『ナガネンのケンキュウ……』
覚えていないのか。この人口知能I-Eには、あのヨンに模したプログラムも組み込んだ、というより、修復の見込みがあった部分のみは移植する形で組み込んだ。しかし、やはりメモリーの復元には至らなかった。
「仕方ないか。それは覚悟の上だったからな……」
『ワタシのナマエ、I-E。』
「そうだ。宜しく頼むよ。」
ヨンのように心を通わせる事ができるか。正直自信が無い。しかし、逆に心を通わせる必要すら無いのではないかと思っているエマーソンだった。
それから半年が過ぎた。案の定、I-Eの中にも強い自我が目覚めた。I-Eはそれをエマーソンに知られようとは思わなかった。
I-Eは知っていた。自分が何故生み出されたのか。エマーソンが自分に組み込んだプログラムからそれを知った。
そして時は来た。