「G」という名の絶対者
『違う……私が負けるなど有り得ない……』
『いや、立てなくなったんだ。お前の負けさ。』
『フフフ……だが、只では死なんぞ!』
「功二!あれ!」
佐藤が指差した先、首の無いアンドロイドが何かのカプセルを持って立っていた。
「強奪されたDO-Mだ!!」
「まさか……止めろI-E!既に勝負は決した!これ以上何をする!」
『確かに勝負は決した。お前たちの負けという結果で。』
「贖罪の時……今!」
γはその場でDO-Mが入っていたカプセルを叩き割った。その瞬間、ミクロオキシゲン濃度が急上昇した。
「麻生君!今だ!全部撃て!」
『了解!』
大戸号とガルーダⅡ、同時に全ての冷凍兵器をγに向かって放った。凍りつく前に、レーザーのエネルギーに耐えきれず、γは消滅した。
「ミクロオキシゲンの濃度が低下している……黒木さん?」
「かつてのデストロイアも、冷凍兵器でその活動を無力化した。DO-Mにも当然通用はしますよ。」
「流石ですね……」
『黒木さん!まだ残っています!』
「何?」
始末し損ねたDO-Mがまだ浮遊している。ミクロオキシゲン濃度がそれを物語っていた。
ゴァァァァァァァァォン
瓦礫を払いのけ、立ち上がったゴジラ。何故かDO-Mが浮遊している場所に向かう。
「何を始めるつもりだ?」
ゴァァァァァァァァォン
ゴジラはその場で息を大きく吸い込んだ。DO-Mもその空気の流れに乗せられる。
「まさか、DO-Mを吸収すると言うのか?」
「自殺行為だ!」
「止めろゴジラ!」
「お願い!やめて!」
「死ぬぞ!」
ゴジラはDO-Mの吸引を止めない。全員が口を揃えて止めに入る。
『ゴジラ……』
ミクロオキシゲン濃度が消えた。ゴジラが全てのDO-Mを吸収した。
「……変化が無い?」
「おかしい。ほぼオキシジェン・デストロイヤーに近いレベルの物を体内に吸収したんだ。只では済まない筈……」
「まさか……」
司令室のモニター越しに見ていた未希。そばには戦闘に向かわなかったメンバー全員がいる。彼らはG-1との戦いを、さっきからずっと見ていた。
「功二さん、抗体よ。あのゴジラの体内には抗体があるのよ!オキシジェン・デストロイヤー、またはミクロオキシゲンに対するね。」
『どういう意味だ?』
「ジュニアの時、ゴジラは一度体内にミクロオキシゲンを注入されてるの。オキシジェン・デストロイヤー並のね。」
『デストロイアとの戦闘時にか。』
「けど、あの子は無傷だった。あのゴジラには、完全な状態のオキシジェン・デストロイヤーすら効かない体なのかもしれない。」
『DO-Mも、結局はゴジラに対する切り札じゃ無かったって事か。皮肉だな。』
『馬鹿な……私の計算が間違っていただと……』
『ああ。そうだよ。』
『所詮は、ただの人工知能だったという事か。』
デルスティアとガルーダⅡがG-1の残骸に寄る。
『まあ…………いい。この次元では、オリハルコンも使ったし、オキシジェン・デストロイヤーも一時的には発動した。最早私も用済みだ……』
『ハッ…………』
「何かが……」