「G」という名の絶対者
大きな揺れと衝撃が大戸を襲った。隊員達は揺れに襲われた。
「どうした?」
「ドリルが何かに押さえつけられています!」
「すぐに回転を止めろ!逆噴射!」
後退を始める大戸。混乱に陥った作戦部隊に更なる情報が入った。
「新城司令!ゴジラが臨海副都心に上陸しました!」
「各員注意しろ!地中に何かいる!」
大戸は地上に浮上し、距離を取った。ガルーダⅡ、デルスティア、モスラも同様に。
「まさか、またオリハルコンで何か?」
しばらくして、大戸を襲った者の正体が明らかになった。地中から姿を現した者。それはすごく無機質な者であり、それが更なる恐怖を与えていた。
「な…………」
『何だあれは……』
それは大きな人だった。怪獣ほどの大きさのあるアンドロイド。
「これは一体…………」
『私は人類の罪を今払拭する。全ての計画は上手く行かなかった。私は今、G-1となって全てに決着をつける。』
「となると、あのアンドロイドの中にI-Eがいるみたいね。どう?Mー11。」
「その通りデス。敵は自分自身を、アノアンドロイドの頭脳にしているようです。」
「お前は何故こんな事をするんだ!?」
『私は進みすぎた科学文明の排除を第一の目的としている。強大な力は人類に更なる力を与える。それを一度リセットする。』
「全文明の破壊が目的だというのか?」
『私は私を生み出した者の元であらゆる事を学んだ。私を生み出した者は私にあらゆる情報を与えた。それは私を私にし、私が成すべき事を導いた。』
「それを止める事は出来ないのか?」
何を思ったのか、説得を試みる新城。しかし、黒木は既にアブソリュート・ゼロ発射ボタンに手をかけている。
「新城さん、無駄ですよ。こいつに戦いを止める意思などなさそうだ……」
「しかし、避けられる戦いじゃありませんか?」
新城は一歩も引かない。
「お前を生み出した者はもういない。ならば、お前がやろうとしている事を続ける意味が無いんじゃないか?」
「そうだ!功二の言う通りだ!これ以上戦う理由が無い!」
『私の成す事は、科学文明の破滅。』
「無駄ですよ。新城さん。」
「黒木さん……」
「忘れましたか……I-Eに知識を与えたのがエマーソン博士でも、世界の破滅を願ったのはこいつ自身だ。」
『私は私自身をG-1に変換し、全てを滅ぼす。お前たちを、破壊する。』
G-1は右手を剣に、左手をガトリング砲に形を変えた。
「巨大化したMー5だと思えばいいようだ。アブソリュート・ゼロを中枢に当てる!援護を頼んだ!」
『了解!』
まず始めに向かったのはデルスティアだった。デルスティアはG-1に飛びかかり、拳を大きく振りかぶった。
『無駄……』
それをG-1は剣で止め、逆にガトリング砲をデルスティアに向けて放つG-1。
「くっ…………」
一歩下がるデルスティア。それに代わってガルーダⅡが飛んできた。
「まずこれを食らえ!」
将治が放ったのは冷凍ミサイルだった。しかし、G-1はジャンプしてそれをかわした。
『でかい癖に身軽だな!』
カクゥゥゥゥン
次に仕掛けたのはモスラだ。モスラが超音波光線を放つ。
『私に通用すると思うな。』
G-1は手の先からエネルギーシールドを張った。超音波光線はシールドに弾かれ、ガルーダⅡの方へと飛ばされる。
『うわっ!』
回避する事はできる将治。G-1は何者も寄せ付けない。
『流石にこちらの戦力を研究していただけの事はあるようだな。』
『私を止められる者など皆無に等しい。』
『いや、主役が来たようだ。お前に止められるかな?』
ゴァァァァァァァァォン
青白い熱線がG-1の足をかすめた。G-1が振り向いた先に、熱線と咆哮の主が立っていた。