「G」という名の絶対者
「出撃準備完了!」
全ての準備が整い、大戸の搭乗員は配置に付いた。
「明日はまだ我らの手にある。リフトアップ!」
地下ドックの天井が開き、大戸を乗せたリフトが上がる。
「大戸号、テイクオフ!」
黒木の言葉と共に、大戸のブースターが火を噴いた。その巨大な船体をゆっくりと持ち上げ、突き進む。
「最初の目標は?」
「ベルリンのマジロスです。」
ベルリンの中継映像を出す黒木。街中を蹂躙しているマジロスの姿を確認できる。
「現場到着は?」
「2時間を予定。」
「それで十分だ。ベルリンの次はパリ、そしてローマ沖の順番で片付ける。」
パリにはフォライドが、そしてローマ沖にドラーグンが現れている。
「ガルーダⅡは?」
「ガルーダⅡもまもなく出撃します。」
「大丈夫でしょうか?あの若者に任せても。いくら麻生さんの……」
「だからこそ、じゃないのか?」
心配する瞬に、黒木はそう言い放った。
『ガルーダⅡ、出撃します!』
ガルーダⅡもブースターを噴射させて、飛び立った。将治はモニターで目標を確認する。
『アジアには、香港のドラーグンと、スリランカのゾエアか……』
『ガルーダⅡはスリランカへ。香港に部隊は向かわせない。』
『どうして?』
『ゴジラが向かった可能性がある。ゴジラに任せておくのが無難なんだ。』
『了解。』
『聞こえるか将治?』
『お祖父さん……?』
普段は戦闘時にはめったに通信に出ない孝昭がいる。珍しい事だ。
『今回はお前をパイロットとして向かわせる他無いが、無茶だけはさせんぞ!』
『分かっているよ。僕を信じてくれ。』
『お前こそ分かっているのか?地上部隊の援護が無い状態で戦うんだ。』
『ああ……そうだったよな。』