「G」熱大陸 看板怪獣

「G」熱大陸 看板怪獣

タタタンターターンタタタタタタタン……♪

 三重県津市の港町。古くから漁港としても栄えるこの町にその店はあった。
 店主が地元を飛び出して始めたラーメン屋。常連客はいるものの、特別人気店とはいえない、地元密着型のラーメン屋として営業を続けていた。
 しかし、今は連日リピーターに加え、新規の客も店の前に並ぶ。
 その仕掛け人が、彼? 「彼でいいの? わかりました」
 その仕掛け人が彼、看板怪獣のブースカだ。

「ゲハラゲハラ!」

 豪快に笑顔を振りまきながらブースカが提供する店主のラーメンは、ネット上で話題となり、一躍ムーブメントを巻き起こした。
 怪獣の彼が働く事になったのは、一つの事件だった。

※証言VTR1「店主」
〈中略〉
「ラーメンを食う奴に悪い奴はいねぇ!」

※証言VTR 2 「三重県警 蒲生吾郎」
「彼はラーメンを食べたかっただけです。……確かに無銭飲食はよくありませんね」
〈略〉

 そしてラーメン払いで日々働くことになったブースカ。
 朝5時。彼の朝は早い。

「ぶーすかぁ~」
「ゴラァ! いつまで寝てんだぁ!」
「ブカぁっ!」

 起床し、まずは店舗前の掃除。

テロップ〈お客様が気分良く待てるように掃除には細心の注意を払っている〉

 朝7時。

「ほれ! ラーメンだ!」
「ゲハラゲハラ!」

 毎食ラーメンがブースカの日課だ。「体、大丈夫? あー「G」だから大丈夫なの。羨ましいなぁ…」

 朝10時開店。

「きゃー! 本当にいたわよ!」
「ピース!」
「ゲハラゲハラ!」

 お客様からの要望には笑顔で答えて、看板怪獣としての役目を果たす。
 この日も忙しい。

 時間は瞬く間に過ぎていく。

「ゴラァ! ラーメン盗み食いしたろ! 賄いさっき食っただろ!」
「うぅ。しおしおのぱぁ」

 店主とブースカの息のあった掛け合いもまた店の名物だ。

「ブースカ、今日もお疲れ様!」
「ゲハラゲハラ!」

 閉店。店の片付けを終えたブースカと店主は遅い夕食を取る。
 こうして、ブースカの一日は終わった。
※店舗外観でフレームアウト。

※証言VTR 3「ブースカ」
-貴方にとってのラーメンとは?

「ゲハラゲハラ! ブカぁっ!」

※ブースカの笑顔で終了。
エンディングはラーメン店の所在地、営業時間などの紹介。


三重県ローカルテレビ制作
提供 JGRC




2027年蒲生村にて
銀河「なぁ、何で元紀の会社、こんなローカルな番組の提供やってんだ?」
元紀「知らないわよ!」

終 宇多瀬
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