遺恨

【悪路神の火】

雨夜には殊に多く燃て、挑灯のごとくに往来す。此火に行合者は、速に地に俯に伏て身を縮む。其時火は其人の上を通路するなり。火の通り過るを待て迯出す。然も為ざる時は、彼火に近付て忽ちに病を発し煩ふ事甚しといふ。

引用―閑窓瑣談後編
   佐々木貞高/天保12年

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