日々徒然
母の日
2023/05/14 19:09スティレオ
「レオナルド、君がママになるんだ」
ハロー、全世界にお住まいの人類の皆さん。レオナルドです。
たった今、俺は無駄に足の長い上司から、ママになれと言われました。訳分かんねぇよ!
「…は?あの、スティーブンさん…寝てます?」
「起きてるし正常だぞ」
「どこが!?野郎にママになれってもう異常でしょうが!絶対おかしいわ!」
「だよな。だが、僕は君が一番ママに向いてると考えている」
「…そこは譲らないんですね。で、何のママになれと?」
「僕。僕の聖母は君がいい」
理解の範疇を超えた。これはあれか、警察か病院に助けを求める案件か。どっちも知り合いがいるから頼みづらいと思っていたら、クラウスさんが歩いてきて、スティーブンさんの鳩尾に拳を叩き込んだ。
倒れるスティーブンさんを、無言で受け止めるクラウスさん。そして俺に振り返る。
「今のスティーブンは本音しか話せない呪いにかかっているのだ。だが1日で解けるので今のことは聞かなかったことにしてほしい」
呪いにかかってた間の記憶がなくなってるといいですね。つーか、部下を母親にしたい三十路ってなんだ。
「忘れます」
覚えていたくないし、プライベートはさておき、仕事に支障をきたしたくない。
胸を撫で下ろしたクラウスさんに担がれ、スティーブンさんは執務室を後にした。
翌日、スティーブンさんは「母の日の呪いのせいだ」というメッセージをクラウスさんに送って、引きこもった。
どうやらよくわからない呪いが解けても、記憶は残ったらしい。合掌。
ハロー、全世界にお住まいの人類の皆さん。レオナルドです。
たった今、俺は無駄に足の長い上司から、ママになれと言われました。訳分かんねぇよ!
「…は?あの、スティーブンさん…寝てます?」
「起きてるし正常だぞ」
「どこが!?野郎にママになれってもう異常でしょうが!絶対おかしいわ!」
「だよな。だが、僕は君が一番ママに向いてると考えている」
「…そこは譲らないんですね。で、何のママになれと?」
「僕。僕の聖母は君がいい」
理解の範疇を超えた。これはあれか、警察か病院に助けを求める案件か。どっちも知り合いがいるから頼みづらいと思っていたら、クラウスさんが歩いてきて、スティーブンさんの鳩尾に拳を叩き込んだ。
倒れるスティーブンさんを、無言で受け止めるクラウスさん。そして俺に振り返る。
「今のスティーブンは本音しか話せない呪いにかかっているのだ。だが1日で解けるので今のことは聞かなかったことにしてほしい」
呪いにかかってた間の記憶がなくなってるといいですね。つーか、部下を母親にしたい三十路ってなんだ。
「忘れます」
覚えていたくないし、プライベートはさておき、仕事に支障をきたしたくない。
胸を撫で下ろしたクラウスさんに担がれ、スティーブンさんは執務室を後にした。
翌日、スティーブンさんは「母の日の呪いのせいだ」というメッセージをクラウスさんに送って、引きこもった。
どうやらよくわからない呪いが解けても、記憶は残ったらしい。合掌。