羽衣さん、春島【初春】
チェンジ
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金を手に入れたローは荷物をベポたちに預けタヌキだけをつれ別の場所へと向かっていった
誰もいない路地裏へ入り、どんどん街から離れていく
『私はいっしょにいてもいいの?』
「次くだらねぇこと言ったらその口塞ぐぞ」
『言わなくてもやるくせに…ンッ』
タヌキの減らず口は宣言通りローによって塞がれた
不服そうに睨むもしたり顔のローには効果はないようだ
昨日はあんなに弱っていたくせに、わずか1日経たないうちに元に戻った
もうちょっとあのレアなローが見ていたかったのにちょっと残念
せっかくのチャンスだったのに
行くぞと先を歩き出したローに、そんなこと思っているなんて口が裂けても言えなかった
また今さっきの二の舞になるだけだ
ローがそのままスタスタと裏町にある寂れた建物へと入っていくのをタヌキは小走りで追いかけた
「セイウチ親分はいるか」
なんとも趣がある店内からは昼間だというのにアルコール臭が鼻をついた
昼間から堂々と酒を浴びている黒い毛を生やしたセイウチ…基、セイウチ親分はゆっくりとローたちの方を向いた
ゆうに3メートルはあろうかという巨体はそれだけで威圧感がある
「どっから俺のことを知ったかは知らねぇが…甘い考えなら今すぐここから立ち去りな」
覇気だろうか…その場の空気がグッと重くなるがローの口角は上がった
「ここの黒の王と赤の女王を潰しに来た
協力しろ」
「…小僧ゥ、それ本気で言ってんのか?」
「あぁ」
セイウチ親分が飲んでいた酒の手を止め、威嚇しても尚平然と立っているローとタヌキに目を向けた
「なかなか肝ゥが据わった小僧ゥたちだ…話だけでもゥ聞いてやる」