アンジェロが帰ってきてもたぬきはボーッと窓の外を眺めるだけだった

アンジェロは黙って温かいココアを差し出すとたぬきの言葉を全く

その温かさはたぬきにもしっかり届いていた

そして

どれくらいたっただろうかやっとたぬきが口を開いた


『…アンジェロさん』

「はい」

『わらないんです…知らないないことばっかり起こるんです…』


1度吐き出してしまえば、止まることができなかった


『体が言うことを聞かないです、頭がいたいです、心が苦しいです…私、どうすればいいのでしょうか』

「…それは私に言ってるのですか？」

『え？』

「私にはどうも、その言葉は私に向けていいたいことではないように思います
その言葉、もっと言うべき人がいるんじゃないんですか？」


優しく優しくたぬきの頭をなでるアンジェロ

結局、その日は答えは出ないままだった






To love is to suffer. To avoid suffering one must not love. But then one suffers from not loving.
恋をすることは苦しむことだ。苦しみたくないなら、恋をしてはいけない。でも、そうすると、恋をしていないということでまた苦しむことになる。





少女は苦しみを知った