羽衣さん、春島【初春】
チェンジ
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セイウチ親分との話し合いを終えた2人は船に戻り、今回の作戦をハートのクルーに伝える
「表からは俺とタヌキが入る
お前らは町の西の森にある地下水路から入れ、道案内はセイウチ親分の子分が来る」
セイウチ親分からもらった裏カジノの地図を広げながら説明をしていく
こんなものまで持っているなんてセイウチ親分は相当この島の裏側に精通している
その作戦に問題はなかったが、裏カジノに表から入ることになったローとタヌキはドレスコードが必要だ
そんなものこの船にあっただろうかというタヌキの疑問もすぐさま目の前に現れた衣装を持ったペンギンにかき消された
すっかりタヌキの衣装担当となったペンギンがこのチャンスを逃すはずもない
「やっぱり!すっごくいい!」
『……どこから手に入れたの、これ』
ちょうど今日色づいたこの島の桜と同色のマリンブルーのプリンセスラインのドレスは、首元から肩にレースがあしらわれ、肩は斜めに大きくカットされたアメリカンスリーブのデザインで、タヌキの刺繍を隠す
代わりに、ノースリーブの晒された腕は二の腕からは水色のシースルーのベルスリーブで透けて見える
胸元から下へいくほど濃くなる青に、のせられた泡を思わせる透明なレースが、海そのものを感じさせる
「準備は出来たか」
「アイアイ!キャプテン!!」
ローもまたスワローテールの正装に身を包んでいた
ミッドナイトブルーのジャケットは前部はウエストまでの長さ、後部は膝丈あたりまで垂れ、裾が2つに割れている
その下にすらりと伸びた足は、ジャケットと同じ色に脇縫い目に2本のブレードがついたものを
シャツに合わせ、タイもステイも手袋も純白で
革靴は黒で、エナメルでオックスフォード型で高級感を
いつものもこもこ帽子ではなくシルクハットで完成
「船長、いいかんじだろ?」
コーディネーダー・ペンギンの言葉にタヌキは頷くしかなかった
ローはタヌキの露出した肩にくすみががったスカイブルーのストールをかける
「いくぞ」
タヌキは差し出された手をゆっくりと取り2人は船を離れた
「あーあー、連れてかれちまったなー」
「独占欲強すぎだろー
俺たちにくらいもう少し見せたっていいのに」
「会場で大丈夫か?」
「誰が?他の客がか?」
「んだよ、俺のせいかよ!」
「今回はちょっと気合入れすぎたな、ペンギン」
「お前らだってニヤついてたろ!ちゃんと見てたぞ、イッカク!!」
「そ、それは私だけじゃないでしょ!?」
ハートのクルーたちが愛と苦悩の言い合いをしているとセイウチ親分のところのアデリー隊長たちがやってきた
「ペンギン軍曹殿!!お待たせ致しました!!」
「いや問題ない時間通りだ」
ペンギンたちもまた作戦のために動き出した