羽衣さん、春島【初春】
チェンジ
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セイウチ親分についての情報に間違いはないようで、この島のことなら知らないことはなかった
「知っていたら余計なお世話かもゥしれんが…ここにはもう“ジョーカー”はいないぞゥ?」
「なに?
海軍のお偉いさんが溺れているだけじゃないのか?
なぜそこに闇の仲買人の名前がでる?」
海軍も絡んでいるから、フルカラで暴れても平然とこのオカシナナランドに足を踏み入れたのだ
海軍だって裏カジノに溺れているなんてバレたくはないだろう
現にハートの海賊団を追ってこの島にはこない
「そりゃ少し古い情報ゥだな
確かにここのカジノゥはデケエがジョーカーが手を引いて最盛期は過ぎさった…頭のいい奴はもう離れてる
まっ、頭の悪い奴はまだ残ってるゥがな」
セイウチ親分はまた大きく鯛焼きの頭に食いついた
まさかここに“ジョーカー”がでてくるとは…
「なんだ関係なかったか
なら、この話は聞かなかったことに…」
「いや続けろ」
こんなチャンス…滅多にねぇ
予想以上の大きな敵にローは喉を鳴らしてそう告げる
その名を聞いても、身を乗り出して聞いてくるローの姿勢にセイウチ親分は豪快に笑った
その横でタヌキは黙って聞きながら鯛焼きを大きく頬張った
「こんなところにまで、“ジョーカー”の手は伸びてるってわけか?」
「もう数年前の話だ…今はここから手を引いている
ここもまあ特別ゥだな…赤の女王ゥが“ジョーカー”に心酔していて、かなりの対価を払って“SMILE”も手に入れた」
『“SMILE”?』
「人工ゥの悪魔の実だ」
「!?、そんなこと可能なのか?」
「誰がどうやったのか俺は知らねぇが、口にすれば動物系の能力ゥを得られる」
耳にするだけでは到底信じられないことだ
この世界の常識に疎いタヌキでも驚いたのだから、ローの衝撃は相当だろう
「…まあそれにどれほどのリスクがあるかなんて食べなくても想像ゥがつくが」
赤の女王は食っちまったんだ
流石にノーリスクなんて上手い話はないだろう
しかし、どんなハイリスクでもハイリターンを望めるのなら手を出す者もいるだろう
ローがこの裏カジノに目をつけたのは正解だったようだ
「なぜ“ジョーカー”はこの島から手を引いた?」
「さぁな…新しいビジネスがどうのと言っていた気がするゥが…奴ゥの真意なんて一度だって分かったことがない」
ジョーカーと随分親しかったのか、目を細め最後の鯛焼きを食べながらセイウチ親分は言った
ジョーカーに赤の女王、そしてセイウチ親分との間に一悶着あったらしい
「“ジョーカー”の正体を知っているか?」
「…聞いたら戻れなくなるぜ、小僧ゥ」
「もともと戻る気はない」
強い言葉で返すローの隣で、同意するようにタヌキも頬張っていた鯛焼きの尻尾を飲み込み強い眼でセイウチ親分を見つめた
「王下七武海、ドンキホーテ・ドフラミンゴだ」
『!』
「!!!」
冬島で聞いた名で新聞も賑わせる大物で…ローと因縁がある男
タヌキは静かにローの方を向いた
そのタヌキの視線に気づかないローは驚いた素振りも見せたがすぐに口角をあげた
「この勝負、乗った」