羽衣さん、交流
チェンジ
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タヌキが虹の実ゼリーを食べている頃、ローたちは課金屋へと来ていた
放つオーラだけでも人を殺しそうなローに、課金屋の店員は震え上がり相場の3倍の金額を提示した
それを見ても、不機嫌を隠そうともしなかったローにペンギンはため息を吐いた
それもこれも全部、シャチがタヌキに変な約束をしたせいだ
折れたことをずっと引きずるローにペンギンは頭を悩ませていた
札束の入ったケースをベポに持たせて、賑やかな大通りからさっさと船への帰路につく
「タヌキなら大丈夫ですって、船長
なんてたって、うちじゃ船長の次に…船長?」
先頭を歩いていたペンギンが振り向くと、さっきまでいたはずの船長とベポの姿が見えない
きょろきょろとペンギンが見渡すと、5メートル後ろの店でベポがこの島名産“グレイトスタンプの豚串”を頬張っている
あいつ!さっそく金を無駄使いして!!
ベポとペンギンが声を荒げようとした時、その2軒隣いるローが目に入った
「この島名産グレイトスタンプから取れる毛で作ったブラシさ
繰り返し使うと髪にツヤが出るんだ!
髪がまとまりやすくボリュームダウンもできる!
ブラシの毛に水分と油分を含んでいるから静電気も起こりにくい
毛量が多い人や太い人でも使えて細くて柔らかいから髪に摩擦がおこりにくい!どうだい、にいちゃん」
「買った
スリッカーブラシはあるか?剛毛なのが1匹いてな」
豚串を貪っているベポを差しながら言う
「スリッカーブラシなら、はっきり言って隣の島のメカトピアの方がいいものがあるね
あそこのステンレス針に勝てるものなんてそうそうないよ」
「そうか」
いつの間にかブラシを購入しようとしているローにペンギンが慌てて近く
またタヌキのブラシ買おうとしてる!!
「せっ、船長!うちにもう何個あると思ってんですか!」
「うるせぇ
満足したらそこが行き止まりだ…俺はもっと高みを目指す」
かっこいいこと言っても、それがブラシにかける情熱だというのだから締まりがつかない
「にいちゃん、今日は運がいいぜ!ずっと品切れだった、A-5ランクのオイルが入荷したんだ!」
「ほう…」
「船長!早く、帰りましょうよ!タヌキもシャチも待ってるはずですから!」
「グレイトスタンプからとれたオイルはブロー前に塗れば艶やかに仕上がる!人間の皮脂と同じ成分であるスクワレンを含むから馴染みもいい!しかもこいつァ最高級のオンリーナッツオイルも配合されてっ」
「買った」
前の島で1つのカジノぶっ潰したんだ
今のハートの海賊団は金ならある
しかし、ペンギンの頭には不安がある
こだわったことには金に糸目をつけないローは医療機器や薬品、本…そしてタヌキの身の回り品にとてつもないお金をかけている
今回の手に入れた宝は次の島での船の買い替えに全額突っ込む気だ
もっと充実した設備やタヌキと過ごす自室のこだわり…果たして自分の要求分の金は残るだろうか
こんなに苦労してるんだ…ちょっとくらい報われたっていいじゃないか!
そんなペンギンをよそにまた嵐がやってきた
「たいへんだー!南の通りで海軍と海賊がドンぱち始めやがった!!」
騒ぎを聞きつけた住民が騒ぎだす
南の通りはタヌキとシャチがいるところだ
「ちょっと船長どこ行くんですか!」
「オイルを10、ブラシは4だ」
「まいど!!」
「船長!!タヌキなら大丈夫ですって!
なんてたって、うちじゃ船長の次にッ!」
「ベポ、行くぞ」
「ぅえっベポも!?荷物はッ!」
「そんなもんひとりでやれ」
「ふぁいふぁい!きゃふへん!!」
頬張っていた豚串をほっぺに詰め込んだベポがローの後を追う
混乱する人混みに紛れこみ、あっという間に居なくなった1人と1匹
その場に残されたペンギンと大量の金が入ったアタッシュケース
「結局1人でやらせるなら、はじめっからタヌキといてくれ!!」