羽衣さん、交流
チェンジ
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「あ゛?んで、この俺様がこいつらと組まなくちゃぁいけないんだよ!」
「構うな!撃てー!撃てー!!」
キッドとタヌキたちに容赦なく向かって飛んでくる無数の銃弾
シャチとタヌキに飛んできた銃弾をタヌキの尻尾が止めた
キッドは目を見開き、顔が愉快そうに歪んだ
「ハッ、思い出しだぜ!
お前は“八尾”だな」
その右手は銃弾に向いており、キッドに向かってきた銃弾はキッドの手前で不自然に宙に浮いている
これにはタヌキも思わず目を見張る
あの赤い人も悪魔の実の能力者だったのか
「噂通り奇妙な奴だ…お前は何の実を喰ったんだ?」
『………』
悪魔の実の能力者でないタヌキは答えられない
『どうする?シャチ
ローはこの島では暴れちゃダメだって』
「おい無視するな!」
「逃げるに決まってんだろ!!」
船長にバレる前に船に戻らなければ!
頭がそのことでいっぱいになっているシャチにも、キッドの声は届かない
「おい!てめぇ俺様を無視するなと言ってんだろぅっが!repel !!」
『!!』
「うわっ」
キッドが宙に浮かせていた銃弾がタヌキたちの方に飛んでくる
いったいなんの実を食べたのだろうか
というか、なんでこっちに絡んでくるんだろう
タヌキが考えている間にも、暴れ回るキッドの金属の破片が飛んでくる
虹の実ゼリーを食べ終えたタヌキは二尾の鉄扇を尻尾から取り出し弾いた
『ッ!?』
すると、見えない強い力が鉄扇に襲いかかり持っていかれそうになった
まるで強い磁石のようだ
「オイオイ、余所見してていいのか?」
『ッ!』
標的が海軍からタヌキに変わり大量の金属が襲いかかる
その暴れっぷりに海軍や周りの建物まで巻き込まれてしまう
周りにいた住民たちは悲鳴をあげすでに逃げてしまった
タヌキは鉄扇をしまい、八本の尻尾を振りその全てを薙ぎ倒した
その強い力のぶつかり合いに、近くにいたシャチや海軍は吹き飛ばされてしまった
「タヌキっ!?」
強い
その場に立っているのは、タヌキとキッドだけとなり、キッドの顔は新しいオモチャを見つけた子供のようにいいねぇと笑っている
流石のタヌキもキッドが面倒臭い奴である事を理解した
海軍でもないのに初対面でここまで容赦ない攻撃をしてくる者も珍しい
「オラオラオラオラオラァ!!!!」
『…あっ!』
いや、ローと出会った時も容赦なく攻撃されたような気がする
初めての異世界でテンションが上がった甘酸っぱい記憶にタヌキの眉間に皺が寄る
「よそ見してんじゃねぇよ!!」
少し…いや、だいぶワガママな感じもローみたいだ
そして何より1発1発がズシリと重い
ローとした暴れちゃダメだなんて約束ももう守れそうにない
こうなったらしょうがない
タヌキの尻尾が怪しく動いたその時、新たな男が2人の間を割って入ってきた
「キッド、なにを遊んでいる
急がないとログが書き換えられるぞ、俺たちにあの島に戻る手はない」
『だれ?』
「チッ、うるせーよキラー」
あーぁいいところだったのにと悪態をつくキッドにキラーと呼ばれた男は気にした風も見せない
キッドの仲間らしき人物が連れ戻しに来たようだ
鍛えられた肉体に佇まい…こちらもなかなか強そうだ
いよいよ、面倒くさいことになった
ローに怒られちゃうかも…
それだけは避けたい
流石のタヌキもローの不機嫌な顔が頭をよぎる
幸にもどうやらキッド達の方もログが書き換わる前に出航予定らしく、あちらも時間がなさそうだ
『………はっ!!』
このまま黙っておけばいっか!
これで上手くいったことなどないのだが、その事は今のタヌキの頭にない
さっさと船に戻ってしまおう!
それどころか、いい閃きだと言わんばかりに尻尾が揺れる
そこで、キラーはタヌキに気づいた
「!!、お前はもっ!!」
『も?』
「………ッッ!!」
「おい、キラー!
いきなりどうしたんだ?」
「そのもふもふッ…ホンモノだったのか!?」
『???』
あぁあぁとタヌキの方に手を伸ばしてくるキラー
様子がおかしいと思ったのはタヌキだけではないらしく、長い付き合いのキッドも眉をひそめた
「あァ?どうし…ッ」
キラーに話しかけたキッドの声をかき消すように砲弾が降ってきた
「「『!!!』」」
「キャプテン・キッドに武人キラー!八尾のタヌキ!!…大物ルーキーがゾロゾロ何してるか知らねぇが…ここはこの遠山のギンが通さ…………ぁねぇよバズーカ!!」
ドンッドンッ
「チッ、せっかくいいところだってのに邪魔するんじゃねぇよ!!」
正義のマントを靡かせた長身の海兵が現れ、自分の背丈の2倍はあろうかというバズーカを背負い、ドンドンとタヌキたちに向かって撃ってくる
右手をあげるキッドに刀を構えるキラーだが、タヌキは違った
「くらえっ!!!!」
『今のうちに帰らなきゃ!』
「!!、あっ、待て!八尾!!」
急げ急げとローにバレないうちに逃げることしか頭にないタヌキにキラーの声は届かず
土煙に巻かれ、タヌキはキッドたちの前から姿を消した