羽衣さん、遊戯
チェンジ
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偉大なる航海の冒険も、その大半を船の中で過ごす
四六時中敵や海王類が現れるわけでもなく、ハートの海賊団の船内は平穏な波の音を包まれていた
日向ぼっこに目を細めていたタヌキに神妙な面持ちをしたシャチが話しかけた
『かくれんぼぉ?』
「そうだ!」
『怪しい…シャチなにか変なこと考えているでしょ』
「タヌキ、俺が勝ったら…」
そう言ったシャチの手にはブラシ…
『やっぱり!そういうことだと思った!』
「頼むよ、タヌキ」
ブラッシングに好き嫌いがはっきり別れるタヌキ
嫌いな相手には一切やらせなかった
タヌキが許しているのはベポはいいとして、船内ではローとペンギン…イッカクなど数名のクルーのみ
理由は明確、みんなガサツで力が強いのだ
尻尾はみんなが思ってるよりデリケートなのだ
『いやだ、シャチのイタイんだもん』
「グハッ…」
急に鼻血を出して倒れたシャチ
なにに悶えたのかわかっていないタヌキにはてなマークが浮かぶ
そんなシャチに静かな同情が周りにいたクルーから向けられる
『ベポでいいじゃん』
「あいつは誰にでも腹を見せる!いつでも出来んだよ!」
ベポは仲間なら誰でもやらしてくれる、軽い男だ
だいたいベポのブラッシングはタヌキが念入りにやっている
それに、ベポの硬い毛よりタヌキのフサフサとした毛に包まれたいんだ!!
毛皮に代表されるように狐であるタヌキの毛は柔らかい
それに最上級のシャンプーとコンディショナーを船長自ら仕入れているんだから触り心地は最高だ
シャチはどうしても触りたかった
仲間なんだ、もう少しくらい触らせてくれたっていいじゃないか!
「っ!、お前が勝ったら次の島で、一番高いスウィーツを奢ってやる!」
『えっ!ほんと!?』
食いついた
あんなに食べ物につられるなとキャプテンに耳にタコができるくらい言われているのに
タヌキもクルーには甘くゆるゆるだ
揺れる尻尾が作戦の成功を教えてくれる
賭け事でタヌキに勝てないことを痛感しているシャチ
考えに考えたシャチの作戦はかくれんぼだった
狭い船内、長年ハートの海賊団のシャチは熟知している…利はこちらある
『うーん、じゃあちょっとだけ』
「よしきた!
そうこなくっちゃ!!」
この勝負、シャチ様がもらった!!
とブラシをさらに強く握りしめるのだった