羽衣さん、冬島
チェンジ
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ドフラミンゴは間違えなくこの島についた
暴れ回りイッカクやホワイト博士、島の人々を襲い、その時ちょうど起こった島の噴氷に立ち去っていったのだ
「あの子は運良く人型の形をとったのを、私が加工したの
見た目は貴方達人間と変わらない
あなたたちは気づいてしまったみたいだけど」
冷めないうちにと、暖かい紅茶とアップルパイを食べながらホワイト博士が言う
『…家族だったの?』
部屋の隅に飾られた一枚の家族写真を指しながらタヌキが問う
「…わからないわ」
『自分達のことじゃ?』
「この姿になって、人間だった頃の記憶はある
けど…分からない、思い出せないことも沢山あるの」
写真に写った少女の顔を撫でる
その顔に表情はないが、タヌキには悲しく見えた
「それはこの子も一緒…私たちは自分が誰で何者なのか知らないの」
『………』
「姿だけじゃなく、記憶も操れる能力者…いや薬か催眠の類か
少なくとも厄介な能力を持った奴が2人いるな」
ドフラミンゴファミリーの実験台とされた故郷は噴氷と共に消え去り、体を奪われ己に関わる記憶が全世界から消滅する
結局、この姿のことも原因も解決もひとつも知れることなく10年という時が経った
そんな物語のような現実が目の前にはあった
「私は…アイツを絶対に許さない…ッ」
「…イッカク」
イッカクの表情はタヌキから見えなかったが、隣にいるローが代わりに体現しているようだった
タヌキはローがどうしてこの航路を選んだかわかった気がした
ドフラミンゴとローに何かしらの確執があること
羽衣狐は知っている
人の負の感情を誰よりも知っている
だからタヌキはローを咎めなかった
人間の負の感情とは、なんとも扱いづらいものだ
多ければ暴走し、なければ活力を失う
千と生きてきたタヌキはたくさん見出来た
それでのし上がる人間も朽ち果てる人間も
他人ができることは余りにも小さい
だから
ただローの隣にいる
どんな時も
暴走してローが決して後悔しないように、いつでもその手を握りしめれるように