羽衣さん、冬島
チェンジ
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先程まで甲板に倒れこんでいたのに、冬島と知るやいなや甲板を喜んで駆け回るベポ
ノースブルー出身のハートの海賊団もあまりの寒さに防寒着を準備し出したが、ベポには丁度いいみたいだ
クロッカスから聞いた話を信じるならログが溜まるのは1週間らしい
降り立った島は氷と雪ばかりの島で人の気配はおろか生き物の気配もなかった
『無人島?』
「人がいないかみてみるか…余裕のある奴だけついてこい」
「アイアイ!キャプテン!!」
ローについていくのは、すでにローに手を握られたタヌキに元気よく前足をあげたベポだ
その横ではぐったりとしたシャチとクリオネがいる
「タヌキ、念のため尻尾はしまっておけ」
『…寒い』
「1番厚いコートを出せ
あと、ちゃんと食べろ
皮下脂肪が足りねぇ」
乙女に向かってなんと無神経な診断を下す医者だ
ペンギンから1番厚いコートを受け取り着込んでる間に、マフラーと耳あてをペンギンが甲斐甲斐しくつけてくれた
『…なんかこのコート、みんなのと違うくない?』
デザイン性に富んだ、ローと揃いの黄色いロングコート
共布のベルトでウエストマークしてもすっきりとして見た目に反し動きやすい
マフラーなどはもちろんとら柄になっている
…いつの間に用意してたのか不思議に思う
「お前馬鹿!女の子なんだから当たり前だろ!紅一点という自覚を持ちなさい!!」
用意した張本人であろうペンギンからお叱りを受ける
ここまで準備して冬島に当たらなかったらどうしていたんだろうか
1発目が冬島と知り、ペンギンが意気揚々と取り出したのをウニはしっかりみていた
もう何を聞いてもタヌキの望む答えは返ってこないようで
ファッションポイントを聞き流しつつコートの下でこっそり1本尻尾をお腹に巻いたのは、どうやらバレてないようだ
暖かい
出来うる防寒をしてやっと耐えれるようになった
「錨を下ろせ」
ローが海王類を倒すために出されていたタヌキの尻尾の収納と防寒準備が整ったのを確認し、船をつけるように指示した
異変があれば電伝虫で連絡するようにペンギンに指示し、ローはタヌキとベポを連れ船を降りた
「アイ〜なんにもないね〜」
しばらく歩いたがベポの言葉通り氷と雪しか見当たらない
『…?、これは』
「どうした」
『ロー、氷の中になにかある』
氷の中になにやら埋まっているのをタヌキが発見した
よく見ると腕輪があり、そう古くはなさそうだ
「ここについた船のものか…それにしてはどうしてこんなところに…それとも文明があるのか?」
「うわっ!?」
慌てるベポの声に後ろに視線を向けると、ベポが雪の地面の下に消えた
「『ベポ!?』」
いや、穴に落ちてた
慌ててタヌキがふわりと浮き助けに向かう
「おい、大丈夫か!」
『ロー、来て!』
ベポを助けに行ったはずのタヌキが、すぐにローのいるところへ戻ってきてローの腕を取る
疑問に思いながらタヌキに続く
ベポが落ちた先にあったのは真っ暗な空だったが、タヌキの妖術により出された狐火が辺り一帯を照らした
そうして、ローたちの目に飛び込んできたのは氷漬けにされた都市遺跡
純度の高い氷の中は透けて見え、中は時間が止まったようだった
「うわあ!!」
「氷の中に…見事だな」
先ほど見た腕輪はこの文明のものか
外からの風がなくなり少しだが暖かい遺跡の中を、ローを先頭に見て回る
「っわ!?女の子!?」
『よく見てベポ…この子、作り物だ』
「すげーや、本物みたいだ」
「…つくりもの?これが?」
ベポが見つけたのは都市遺跡に紛れた人型の影
そこには、人間のような…タヌキが言うには人間そっくりなおもちゃのようなロボットのような作り物の…女の子が氷の中にいた
「room…shambles」
ロー能力によって氷から取り出された女の子はグッタリとしていて動く気配がない
ローが触れると人間のような肌感覚はなかった
「…人間…ではないな」
「ひゃーー!!目があった!」
『え?』
ローとタヌキの後ろに回り込み抱きつくベポ
たった今人間ではないと診断を下したばかりの相手がローもタヌキも間違いなく今動いたのを見て、警戒を強める
「うぅ…あと5分…zZZ」
『……寝た…?』
「…大丈夫かこいつ?」