羽衣さん、日常
チェンジ
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船長に負けず劣らずタヌキも好き嫌いが多い
と、ハートの海賊団のコック…ラッコは思っていた
もっともタヌキの場合は口には出さず、ただ黙々と食べてくれはする
ただ…目は口ほどに物を言うという言葉がぴったりなほど目の輝きがちがう
やはり女の子だからか甘いものには基本的にこちらまで笑顔になるくらい目を輝かせながら食べてくれる
和食や魚、特にお稲荷さんなんか好きだ
『ベポ、食べる?』
「ええ!いいの?ありがとう、タヌキ!」
レバニラをベポに分け与えている
ホルモンやレバーは苦手なようだ
今回は特に苦手らしく、出てる尻尾が垂れている…失敗したな
ちなみにこれを船長にもやるのはタヌキだけだ
船長も船長で先陣切ってタヌキを甘やかしていると思う
代わりに船長が嫌いなものをタヌキが食べていることもちゃんと知ってる
『ご馳走様でした』
そして、ちゃんと頂きますとご馳走様を言えるいい子でもある
「デザートもあるんだか食べるか?」
『え!いいの?』
タヌキが入ってきてから毎日デザートを作っている自分も大概甘いな…
『ベポもいっしょに食べよ』
「ええ!いいの?ありがとう、タヌキ!」
そのおこぼれをむさぼるクマが一番幸せか
あっいう間に食べてしまったデザートの皿を洗いながら、出て行った扉をまだ見続けるクルーに声をかけた
「…イッカク、見過ぎだ」
「だって!!」
頬を染めて、一部始終を見ていたイッカク
その手にはブラシ
この船に乗ったやつは、まずベポに驚く、そしてキャプテンの残忍さとカリスマ性に惹かれ、次にタヌキの尻尾の虜になる
この船に乗ったばかりのやつは一度は通る道だが、彼女はちょっと違うみたいだった
彼女の憧れがこの船の船長とその恋人なことは周知の事実で、タヌキとキャプテンを目の前にすると緊張でまだうまく喋れない
「まさかこんな理想のトキメキが目の前にくると思ってなくて」
「なんじゃそりゃ」
「キャプテンの強さに憧れてもちろん入ったけど…ロタ…ぁあ!!」
「っ!急になんだよ」
「もうストレートど真ん中…最終回まで死ねない…でももう耐えられない、しんどい」
語彙力を失ったイッカクにため息をつきながらホットミルクをだした
「これ飲んだら戻れよ
お前、今日シャチたちと洗濯当番だろ」
いつの日か訪れるブラッシングを夢見て、
“わんちゃんが喜ぶブラッシングの仕方”
を熱心に読んでいるイッカクに、本人にはバレないことを祈った
「今度、その本貸せよな」