羽衣さん、バレる
チェンジ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
気づけば船上にいた
目の前にはいつも以上に鋭い目つきのロー
「タヌキ!よかったあ!!」
ローの後ろから飛んで抱きついてきたベポ
『ベポ、ローのことありがとう』
ベポに抱きつかれるタヌキから生えるフサリと風になびく尻尾
船内は釘付けだった
無人島の散策でズタボロのキャプテンをベポが血相を変えて帰ってきたことに船内は大騒ぎだった
タヌキはどうしたと聞いてもベポはあうあうと泣き出し会話どころではなかった
キャプテンに聞こうとすれば、急な出航命令と展開される円
そして現れたタヌキには尻尾が生えて…
もうどこから聞いたらいいかも分からなかった
『あのーそのー』
同じくタヌキもどこから話したらいいかわからなかった
どうやって言い訳しよう
「やっぱり…隠してたか」
ガシリと乱暴に尻尾を掴まれる
びくりと反射的に尻尾が震えた
『へっ?知ってたんですか…?』
「てめぇがこそこそしてたのは丸わかりだ
だが、こんなもん隠してたとはな…いい度胸だ」
『ひぃぃ…ごっ、ごめんなさい』
「ということは、タヌキ…お前この前の定期検診も嘘ついてたな…再診だ」
『わざとじゃないの!!別に青きじってやつに会わなくてもいつか言うつもりだったし!ただタイミングがなくて…ごめんなさい!! だから注射だけは嫌!』
焦ったタヌキはローにも言葉遣いも忘れ言い訳を並べる
青きじとタヌキが漏らした単語をペンギンたちは聞き逃さなかった
「青きじって!船長どどどう言うことっすか!!」
「うるせぇ」
「うるせぇって」
「詳しいことはあとで教えてやる
最深部まで潜水する!
黙って俺の指示に従え!
この船の船長は誰だ!」
「っアイアイ、キャプテン!!」
そう言われてはクルーたちは従うほかない
青きじという言葉に焦りながら、くぅやっぱり船長痺れるぅとローの一声で統率を取りもどした
命令されているようで情で動かしているローの手腕だからこそクルーたちはついていくのだ
その様子を見ながらタヌキは目を見開いた
『…あれ?ロー、怪我は?もしかして青キジのもわざと?』
「ベポ、タヌキを治療室に運べ」
すごくぴんぴんしてクルーに指示出してるように見えるんですけど…
ぐわぁって言って青キジの攻撃受けてませんでした?
ベポに無抵抗で運ばれながらタヌキは信じられなかった
『ロー、本当に大丈夫なの?』
「俺は医者だ、凍傷ぐらいすり傷と変わらねぇ
お前こそ俺よりズタボロじゃねぇか」
『ごめん…』
どうやら私が助けなくてもローは大丈夫だったようだ
「俺に隠しごとなんて許さねえからな」
『わっ、わかった!!』
「それと…」
『………?』
「そっちで話せ
慣れねえお前の敬語なんて気持ちが悪りぃ」
『気持ちが悪りぃって…わかった、これから気をつける』
タヌキだって心がけているが、ハートの海賊団はみんな急なのだ
千年羽衣狐としてあまり敬語を使わなかったタヌキはすぐ外れてしまっていた
タヌキの返事に満足したローは治療に取り掛かる
「俺はもっと強くなる
俺たちはまもなくグラントラインにはいる
大将にも…七武海にも四皇にだって負けねぇ
だから、てめぇは俺の横にいろ」
「アイアイ、キャプテン!!」
「ベポには言ってねぇが…まあいい」
慣れた手つきで治療を終えタヌキに絶対安静が言い渡しローが船長室へ入って行く
それを確認するとタヌキの元にクルーたちがぞろぞろと来た
「タヌキ!どうしてだまってたんだよ!
そのもふもふ!おい、聞いてるのかもふもふ!もふもふ!もふもっ」
『シャチ、うるさい』
ボフッ
「うぉっうふ!!」
タヌキは尻尾でシャチの顔を覆い黙らせようとした
が、どうやらそれは逆効果だったようだ
「タ、タヌキ、もう一回頼む!」
「タヌキ!次俺、俺!!」
謎の行列ができ
タヌキの今までの不安を他所に、あっさり受け入れられたのだった
こんなに簡単に受け入れられるなららもっと早く言うんだった
タヌキは少し後悔した
「…おい、俺は安静にしろと言ったはずだが?」
「〜〜○×%☆¥!!!」
船長室にいるはずのローが音もなく治療室へと入ってきて、シャチたちは声にならない悲鳴をあげた
「さっさと潜水の準備に取り掛かれ!!
タヌキもこいつらを甘やかすんじゃねぇ」
「はっはい!」
尻尾だしてもださなくても、変わらない日常にタヌキは嬉しくなった