羽衣さん、おにがしまの合戦【牛の一散】
チェンジ
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肋含め20本は折れてる
そうローが診察したはずだった
今、立っていられるはずがない
チョッパーの治療を受けたであろう現状でも、それは変わらない
キラーですらその酷い有様をすぐさま理解した
「おい海賊狩り、その怪我…」
「治った」
だがゾロは立ちたがり、自らが突き破ってきた穴を見つめている
なんとゾロは下のライブフロアから吹き飛ばされてきたようだった
「……キングは…俺がやる」
キングというのは、確か百獣海賊団の3人しかいない“大看板”の1人ではなかったか
…この立つのもやっとにみえるゾロに勝てるのだろうか?
自分たちは船長の元へと向かわなければならない
ここで海賊狩りを助けるのは“契約外”だ
キラーは少し考え込んでからゾロを見た
「お前、本当に大看板のキングに勝てるんだな」
「勝てる」
傷だらけの身体で何の説得力があるのか
だが、その声は鋭い
あの屋上でみた黒刀を持って戦うゾロの覇気をキラーは知っている
「ファファファッ!
その身体でか!!」
「治った!!」
強情な男は嫌いじゃない
キラーが笑い、ゾロに手を差し伸べようとした
が、その前にタヌキがゾロの鳩尾を尻尾でつついた
「い゛っ!!!???」
『嘘、治ってないじゃん』
容赦ないタヌキの一撃がゾロの急所をついた!
タヌキに男の強情など響かない
なんとも冷静な診断を下すものだとキラーは感心した
「止めるな!もふ子!
俺ァいくぞ!!」
いつのまにかタヌキの手にはきらりと光る注射器が握られている
「おい、もふ子なんだそれ」
『ドーピング剤
下手したら死ぬかも』
「そんなもの俺によこすな!」
『でも、このまま負けても死ぬんでしょ?』
その身体ではキングにたどり着く前に倒れてしまう
たとえ生き残っても、負ければゾロは3本の刀と共に切腹するだろう
「…上等だ!
俺はそんなもんじゃ死なねぇ!!!!」
『じゃあキングのとこについたら起こすよ
副作用でちょっと寝ちゃうから』
タヌキの言葉を聞き終わる前に、ゾロはくたりと気を失った
「…九尾、ドーピング剤俺にも打て」
『いや、これはビタミン剤』
「!?」
『こうでもしなきゃ暴れちゃうでしょ?』
そうなったら面倒じゃんと顔にありありと書いてある
それ以上に揺れる尻尾がタヌキの機嫌を表している
大人しそうに見えて、話してみると存外表情が豊かだ
『プラシーボ効果で十分でしょ
今も気合いで立ってるようなものだし』
本物でも偽物でも、本人が効くと思えば効いてる気がするのがプラシーボ効果
チョッパーの薬でもう限界まで動いてるゾロにはそれ以上の投与は必要ないと判断した
当の本人は薬の副作用と思い込んですでに眠っている
オーバードーズになって本当に死んだら困る
タヌキは医者ではない
『キラーはゾロのお守!
迷子にさせないように気をつけてね!』
「気を失った相手をどう見失えと?」
『最重要任務!!』
尻尾をブワリ震わせ、ゾロの本領を知らないキラーにタヌキは念押しした
…やはり毛並みがいいな
『やめて』
思わず伸ばした手はまたぺしりと払われた
『ゾロにはちゃんとキングを倒してもらわなくちゃ』
先ほどキラーが思っていたことをタヌキも思っていた様だ
凛と鉄扇を構えるタヌキに疑いはなかった
キラーがゾロを抱え上げる
『じゃあついてきて』
雑魚を一手に引きうけてタヌキは進んでいく
【ひとつ ふたつ みっつ
よっつといつつ
むっつ ななっつで
もひとつかぞえて やっつ ここのつ
ひとつも忘れちゃいけないんだぜ
なんでって?おじちゃん知らないの?
じゃあ、この世界一イイオンナが教えてあげる
数え忘れたおっきな尻尾でやられちゃうから!】
真夏島の子どもがそう言っていたのを思い出した
俺はおじちゃんじゃねぇとキッドが怒ってしまったからその先は聞けなかった
わーッと蜘蛛の子を散らすようにその子どもは見えなくなった
あの時もっとちゃんと聞けばよかったと今更ながらキラーは思った
