羽衣さん、わの国戦記【おろち城の乱痴気騒ぎ】
チェンジ
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オロチが能力を解放し流石に割り込むかと思ったその時、オロチの頭上の天井が落ちた
「なっ!!??」
あろうことか、落ちてきた天井はオロチの頭に当たり、オロチは白目を剥いた
小紫の身体が無傷のまま畳の床にドサリと落ちる
うぅと唸っているが無事のようだ
そして何事かと落ちた天井を見れば、ナミとクノイチのしのぶの姿があった
先に侵入し隠れていたナミとクノイチのしのぶがオロチの忍にバレてしまい宴会場へと飛び込んだようだった
…荒々しいのは船長だけじゃないのね
ナミも色々言うがれっきとした麦わらの一味ということだ
バレないようになんて彼らには言うだけ無駄だったようだ
「どうなってやがる!?
宴の間がめちゃくちゃだ!!!」
全くもってその通り
さあ…ここからどうやってローの作戦を立て直すか
力技ではせっかくローとルフィだけが姿を出したカイドウ戦が水の泡
しかし、サポートだけではこの場は落ち着きそうにない
正体を隠して前線に立つしかないか
尻尾から取り出した【三尾 太刀】が鈍く光った
「おーおー…修羅場でござる…」
1人の侍が刀をぬるりと抜いた
ゆらり立ち上がった侍は3メートルを超す巨体の男
「…やってくれたな、小紫」
「………」
「覚悟は?」
「ありんす」
狂死郎親分と呼ばれた侍が小紫に一太刀
小紫は血を流しゆっくりと床に崩れ落ちぴくりとも動かなくなった
「わああああああ!!!
小紫太夫が狂死郎親分のひとたちにぃい!!!」
「きゃあああああ!!
姉さん!!姉さん!!」
寸分の迷いのない太刀が小紫を切った
これにはオロチも度肝を抜かれた
「何をする狂死郎!?
誰が殺せと言うた!!」
「小紫への“武士の情け”でごさる
将軍に刃向かえば誰でも大罪人」
そう、それが和の国の鉄の掟
そのはずだが、あまりにも早い狂死郎の判断に周りは息を飲む
…己の忠誠心を見せるためそこまでするのか
オロチもまさか命まで取るとは思わずワナワナと震えている
…鉄の掟を強いたのは自分なのに
「くそっ!!あのガキを!!
わしを笑ったあのガキを喰い殺してやる!!
童!貴様がわしを笑わねばこんなことにはならなんだ!!」
「あはははは!!!
お殿様めちゃくちゃ怒ってる!!」
「おトコちゃん!!!」
「よせ、おロビ!!」
「ロビン危ない!
ゼウス、雷霆!!キャアッ!!」
ナミの雷で視界が潰れる
ビック・マムから奪ってきたホーミーズの雲のゼウスの威力は凄まじく、ナミはコントロール出来ていない
雷で火の手が上がり建物が崩れ落ちていく
…ここも長くはもたなさそうだ
雷光で辺りは何も見えなくなった
チャンスだ
タヌキもするりと姿を出した
もはやこの状況では、誰が誰かもわからないだろう
『私、強い女性って好きよ』
スッと小紫の前に現れて、抱き抱えた
「…おトコ…ちゃん」
こんな状況でも他人の心配とは頭が下がる
『ローに治療して…って貴女』
小紫の傷口を見て、タヌキは一瞬驚いたが笑った
そこには傷口はなく、着物に染み付いていたのは血のりだった
…ということは、あの狂死郎親分もグルか
『やっぱり強い女性は好き
将軍を前にして、“狸寝入り”だなんて度胸ある』
ナミの雷で驚いて本当に気を失ってしまった小紫と彼女の禿であるおトコをタヌキは抱き抱えた
『いいもの見せてくれたお礼はちゃんとするよ』
情報も手に入れた
正体もバレていない
満足する結果でタヌキはオロチ城から姿を消した