羽衣さん、わの国戦記【おろち城の乱痴気騒ぎ】
チェンジ
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これだけ集めれば充分そう
決戦の当日もそしてこれからの旅にもきっと役に立つ
『さて…次は』
このままローの元に戻ってもいいがタヌキはロビンがいる宴会場へと向かった
忍が十数人に刀を持った侍も数人…
これ以上近づけばバレちゃうな…
ここでロビンたちが捕まれば侍やミンク族の作戦が終わってしまう
何がなんでもそれは避けなければならない
タヌキは思案していた
「おでんは死んだ!わしの目の前で!!
だが、息子のモモの助は生きておる!
あのガキの死体も上がっておらぬ!」
『…?』
なんだ…?
お酒の入ったオロチが宴の席だというのに何かに怯え騒ぎ始めた
まだ誰も何もしてないよね…?
あの麦わらの一味だ
信用におけない
「…まただよ」
「オロチ様のとんだ妄想話だ
未だおでん伝説を信じるなどと野良犬でもせんわ」
どうやらオロチに定期的にある“発作”のようだった
タヌキはちょっとだけ安心した
おでん伝説は、おでんの妻・光月トキが残した20年後にオロチに対しておでんの侍たちが報復しにくるという遺言だったはずだ
定期的におとずれるオロチの発作に、部下はとんだ妄想だと小心者だと心の声が薄ら漏れている
お酒が入っている席だがこんなに人がいるところで隠しもせず怯え狼狽えるところが、オロチの弱さを見せしめているようなものだ
「奴らはこの20年後にワノ国を復興し準備を進めている!
着々と!ワシの首を取るために!!」
「まだ光月に怯えているのか」
「おでんゆかりの者たちはもう散々葬ってきたろうに…」
なんとも滑稽で、なんとも詰まらない…
同じようなことはもう千年と見てきた
役に立ちそうな情報はここにはなさそうだ
あとはどうやってロビンたちを逃すかだ
今宴会の場の馬鹿騒ぎは消え、オロチの苛立った声だけが会場に響いている
そこに突然、甲高い笑い声がいやに響いた
「あははははははは!!」
「「「「「ッ!?」」」」」
「あはははは!!!
お殿様みんなにバカにされてる!!」
「おトコちゃんッ!?」
「あはははは!!!」
花魁の禿のおトコがオロチを笑った
オロチを指差し他の者が止めてもその笑いを止めなかった
「わしをッ!まさかわしを笑ったのか!?」
「ごめんなさい!
あははは!笑っちゃ駄目なのに止まらない!!」
オロチの声を聞いて、おトコはあはははと泣き笑いながら口を閉じようとするが、笑いは治ってはいない
その姿はあまりにも不自然だった
かちゃりとオロチが刀に手をかけ、周りのお付きたちの空気が凍った
そこにいた者はおトコの死を覚悟した
「やめなんし!!!」
タヌキの尻尾が動くのより早く、美しくそして強い女性の声が響いた