羽衣さん、わの国戦記【くりの空騒ぎ】
チェンジ
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「海楼石の釘なんて聞いたことがねぇ…」
ホーキンスに撃ち込まれた小さな海楼石の釘がローの全身の力を奪っていく
ローは力なく倒れ込む
「タヌキ…タヌキ聞こえるか」
誰もいない森でローは独り言のように吐く
おでん城ごと吹き飛ばすカイドウの一撃をみても、ローは迷わずタヌキの名を呼ぶ
「俺は大丈夫だ
麦わらたちの作戦に従え
日暮れにいつもの場所で落ち合うぞ」
シーンと森の静けさがローを包み込む
…さて、ここからどうしたものか
左腕に刺さる釘を抜がなければ話にならない
その時、風に舞った紙切れが不自然にローの前で止まった
「あ゛?」
よく見れば、それは人形をしており何故が偉そうにこちらを見下ろしてくる
何処かで見たな
「…お前、タヌキの」
オカシナナランドで見た能力だ
確か鬼灯くんと呼ばれていたな
鬼灯くんはくるりとひっくり返り背中を見せる
そこには、タヌキの文字で“日暮れにいつもの場所で”と書かれている
こちらが言わなくても大丈夫だったようだとローは笑った
「わかった、タヌキのところに戻っていいぞ」
しかし鬼灯くんは帰ろうとせず、ローの肩に刺さった海楼石の釘に手をかけた
「おい、お前何を…」
その紙に宿る全身の力を使い鬼灯くんは海楼石の釘を引き抜いた
その勢いで鬼灯くんは破け、ローの目の前を紙切れがひらひらと舞う
「悪りぃな、助かった」
ただの紙になって地面に落ちた鬼灯くんに礼をつげ、ローはその場からいなくなった