羽衣さん、再会する
チェンジ
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その視線につられてタヌキもそちらを見る
「尼頭巾屋…?」
『荼枳尼…』
「…タヌキ」
木々の影から出てきたのは朧車から落ちていったはずの荼枳尼だった
タヌキを見ながら不敵に笑い続ける彼女にローは不審がったが、タヌキはどうやら理解したようだった
『貴女が仕組んだことだったのね…だいだらぼっちの封印も』
「封印の開封が甘かったわ
やっぱり四肢のないだいだらぼっちは貴女には到底及ばない」
タヌキの言葉にローが驚く
この女が?
辺りが黄土色の霧に包まれていく
「だって、貴女のことを見捨てるって言うんだもの
そんなの…許せなかった」
『よくそんな嘘が言えるな荼枳尼…いや、鵺(ぬえ)』
「鵺…?」
「いつから?」
『私がお前を見間違うわけない』
ローの知らない言葉がでてきた
この女は荼枳尼ではないのか?
次の瞬間、荼枳尼の姿は若い男の姿になった
タヌキのよく知る千年前のその姿に
「やはり貴女は素晴らしい、母上…」
「母上だと?」
どう見たってタヌキのほうが年下であるのに、目の前の男はタヌキを母上と読んだ
「貴女を見捨てるのが許せなかったのは本当
貴女は私のものだというのに!
件が生まれ予言が告げられば、貴女に頼らざるを得ない…思った通り犬神は母上を呼ぶという」
聞いてもないのに口上を読み上げるのは彼の悪い癖だ
それも、彼の絶対的な自信からくるのだろう
『…荼枳尼はどうしたの』
「流石の私も“世界を超えること”はできない
彼女には少し協力してもらっただけ
ぁあやっぱり貴女イイッ…不完全なだいだらぼっちも予想をはるかに超える速さで倒した
ここならまだ不完全だが私の力が及ぶ…ようやくきてくれた…余計なものが付いてきてしまったがね」
冷ややか目線がローに刺ささり、その不愉快さにローの目つきもより鋭さを増し不機嫌オーラがマックスだ
「おい…タヌキ、あいつはお前を母親だと抜かしやがったが…本当か」
『ロー…私は生まれた時からやらなくてはいけないことがあった
闇の世界の樹立と、その象徴となる“鵺”…彼を産み出すことと…それが私、羽衣狐だ』
それが私の逃げられない使命だった