決戦まで2週間となった今日

タヌキは遠くの浜で部下を引き連れたホーキンスを丘から見下ろしていた


「…おそらく九里ヶ浜
人数も不明ですが、何者かが上陸したのは確かでしょう」

『………』


きっとルフィたちだ

カイドウの部下であるバジル・ホーキンスたちの話を聞いてタヌキはそう思った

ローの言いつけより少し遠くへきてしまったが、有益な情報も得られたし内緒にしてれば大丈夫

島外の情報が全く入ってこないワノ国でルフィたちは大丈夫だろうかと思っていたが、どうやら無事サンジを救出できたみたいだ

…いや、無事かどうかは直接会うまで分からないか

ルフィが何も起こさないかなんて毎秒心配しても足りない


「…どうします？“真打ち”」

『………』

「カイドウさんにはまだ伝えるな
俺が行く」


バジル・ホーキンスに上陸したのがルフィたちだと気づかれるとマズい

早くローに知らせなきゃ

タヌキは静かにその場を後にしローの元へと向かった

こういう時、電伝虫が使えないのは不便だ

能力の使用も決戦に向けて極力使わないように言われているため“鬼灯くん”も使えない

四方に敵がいるワノ国では、移動にも気を払わなければならない


『めんどくさいな』


本音を漏らしつつ、タヌキはローたちの待つ町へと急いだ