観光できた外国人さんみたいだ

タヌキは着物を着たローを見て頬を染めた


『出来たよ』

「見事なもんだな」


ローを横目で見ながらタヌキはてきぱきとクルーたちに着物のレクチャーをする

何年も共にいたタヌキの以外な特技にローも驚いた


「タヌキ！まだ着替えてねぇのかよ！」


タヌキもペンギンに花魁風の着物を渡される

いつものように、コーディネーター・ペンギンの説明がはじまる

錦えもんに色々注文していたようだ


「着物を上の方に引っ張りボリュームをだし、視線を上に向けスタイルがよくみえる
スタイルをよく見せたいというタヌキの乙女心は計算済みだ！」


…そんなこと一度も言ったことないけど


「上に持ち上げたことで下の方は少し足首が覗くが、綿が詰めてあって重みをだしてるから、捲れないし纏わりつかない！戦闘でも邪魔しない！」


美しさを損なわない！！

うなじから背中までが大きく見えるように後ろ襟を大きく開けて少し楽に着た着方は、タヌキの背中にあるハートがチラリと見える

これには船長も大満足だろう


「大事なのは肩を落として、女性らしいラインを出すこと！だそうだ」


ゾウであってからずっと何か読んでると思ったが、ワノ国のファッションの情報を集めていたのか

ワノ国は閉鎖された国

どこからそんなに情報を集めたんだ

すこしペンギンが怖くなるが、久しぶりの着物でタヌキの気分も上がった

まあ、平安の世を生きてきた身だ

着物のことなら任せてほしい


『！！、ベポ可愛い！』


ペンギンの長話を最後まで聞かず、タヌキの意識はベポに移った

ちょんまげまで付けて、着物にはハートの海賊団のジョリーロジャーといっしょに魚の絵がある

頭の先から尻尾の先まで可愛い

いつも可愛いけど今はもっと可愛い！


「おい、タヌキ
尻尾は仕舞え」

『………あいあい』


揺れるタヌキの尻尾をローが戒めた

しばらく窮屈な生活が続きそうだ…


「あとソレも仕舞え」


タヌキの背中からチラリと覗くハートもローの手によって隠されてしまった

ペンギンの気遣いも余計だったようだ

ワノ国じゃ顔バレはしてないはずでは？

現にキャプテンの刺青はこれでもかと曝け出している

なんか少し離れてる間にキャプテンまた一段と束縛激しくなってないか…？

もしかしてドレスローザで俺たちの知らない話まだある？

ソワソワしだしたペンギンをスルーしてローは先をいった