羽衣さん、くじらの森の夢の国
チェンジ
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想像以上の大きなお風呂にタヌキは嬉しそうに服を脱ぎ始めた
「本当勿体ないわね、あんなに綺麗な髪切っちゃったなんて」
『そう?洗いやすくて便利だよ?』
ナミはタヌキの髪を触りながら本当に残念そうに言った
羨ましいほどさらさらの手触りなのに雑に切ったせいで毛先がバラバラだ
「切り揃えてあげましょうか?」
『大丈夫
うちに専属がいるから』
後でイッカクに切ってもらおう
タヌキはロビンの提案をすぐに断った
ローのコートを脱いでツナギも一気に脱ぐ
久々の大浴場に気分を高鳴らせ駆け出した
…はずだった
「ちょっと待ちなさいあんた!」
『わっ!』
ナミがタヌキの尻尾を乱暴に掴み止めた
反射的に吹き飛ばさなかったことを感謝してほしい
『……なに?』
明らかにテンションの下がったタヌキだったが、ナミは気にせず問い詰めてくる
「なに?じゃないわよ!
タヌキ、なんなのよその入れ墨!!」
ナミが乱暴にタヌキに映えるハートの入れ墨を胸ごと鷲掴みした
「絶対あんたの趣味じゃないでしょ!」
あんなにミンク族に夢中だったタヌキに似合わぬ厳ついハート柄の入れ墨
露出の少ない服を着ていたから気づかなかったが、ナミとロビンは誰が入れたか1発で分かった
「…私、あんたのこと信用してるけど男の趣味だけは信用できないわ」
初対面のパンクハザードで人格をシャンブルされ、グリーンビットで緊急事態だと聞く耳を持ってくれなかった
そのことをナミはまだ根に持っているみたいだ
グリーンビットのその会話をタヌキもコロシアムのあたりから聞いていたから、ナミの心中を察した
「うんうんじゃない!
自分の男が言われてるんだから何か言い返しなさいよ!」
今度はうにょーんと頬を摘まれる
『ナミもローのこと知れば好きになるよ?』
「ッッ!!
だから!自分の男をすすめてんじゃないわよ!!
いつもハートのクルーがローのいいところを語ってくるため、タヌキもつい同じような口調になってしまった
知れば知るほど男としての魅力が…!
なんてペンギンに力説されてたのを思い出す
「なんであんたはそんなに呑気なの…
一言くらい言い返しなさいよ」
『ナミはそんなことしないでしょ?』
タヌキにそう言われナミはグッと言葉を飲んだ
ナミの長所でもあり弱点でもある仲間や友人に対しては優しいを通り越して甘いところが、もうタヌキにも出てきている
にこりと笑ったタヌキの方が上手だった
短くなってしまった髪から覗くタヌキの耳にローと揃いのピアスがきらりと光った
懸賞金2億越えは伊達じゃない
あのナミを言い負かしたとなれば、麦わら一味全員が驚くだろう
「あら、私は素敵だと思うけどその入れ墨」
『ほんと?』
「えぇ」
ロビンに言われ嬉しそうに尻尾を揺らすタヌキ
その背にもしっかりハートマークが刻んである
『これは私の覚悟の証で自慢なの!』
ローがくれた大切な心臓を褒められて嬉しくないわけがない
胸を張って自慢げにいい、ご機嫌そうに大きな湯船に肩を沈めた