羽衣さん、ごぉいんぐるふぃせんぱい号に乗船
チェンジ
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偉大なる航海の前半の海に比べ、新世界の海はより一層予想外に荒れ狂う
そんなのは常識だ
タヌキだって知っている
「雹だ!」
「大きい!危ないわよ!!」
人の頭ほどある雹が降り注いできた
ハートの海賊団が偉大なる航海に入ってきた時の雹よりも大きい
「もふ子ッ!どうにか何ないのかよ〜」
『この量は9本じゃ足りないよ』
ウソップに縋られるがタヌキの対応は冷たい
航海士じゃないし
「うわー!甲板に穴が空いた!」
「ルフィ先輩たちは早く船内へ!!」
「何言ってんだ!手伝うぞ!!」
「船をどっちに動かす!?航海士は誰だ!?」
「あ、ウチ航海士いねぇんです」
「新世界だぞ!ここは!!」
偉大なる航海に初めて入った海賊の様に荒波にもまれ、なんとか沈没だけは避けようと全員で協力して動く
「風が逆風だぞ!帆をたため!」
「ぎゃーー!デッカいカメレオンが襲ってくる!」
「俺が叩っ切る!どけッ!!」
「うふふ、賑やか」
『ロビン…笑ってる場合じゃないよ』
「……はぁ」
ローのデカいため息がタヌキの心情も表しているようだった
なんとか雹を超えた次に現れたのは、これまた見たことのない深い霧だった
方向感覚も時間感覚も奪われていく
「霧が深い…前が見えねぇ」
絶望に膝をつくバルトロメオの海賊団
よくそんなので新世界でやってこれたものだ
「お前らひっでぇなー!!」
ルフィなんか腹を抱えて笑っている
確かにひどいが笑い事ではない
「ボスッ!2時の方向に何か見えます!」
「何かって何だべ…?」
「あれは…山?いや、怪物?が見えます!」
「山と見間違う怪物がいるかっ!?」
「しっしかし!さっきから動いてるような…!」
深い霧の中、ログホースも反応しない怪物に船は慌てて舵を切る
「動く山なら行ってみよう!!」
冒険の2文字に目を輝かせるルフィだけが意気揚々としているが、すぐにウソップがルフィの口をふさいで反論する
「バカバカッ!
とにかく今はこの霧の迷宮から脱出しないと岩礁にぶつかって転覆するぞ!」
「待て」
ウソップの言葉を今度はローが遮った
ローは手の中にあるベポのビブルカードを見せる
ルフィとウソップが覗き込むと、それは怪物の上の方を指していた
「見ろ、ビブルカードがあそこを指してる」
「おー!本当じゃん!
お前の仲間いるじゃん!!」
しかし、ビブルカードの指す方を見ても島らしきものは全く見えず、船はどんどん怪物の方へ近づいていく
「いやおかしいべッ!」
「コレはまずい!
逃げるぞ、旋回だ!!」
「いやココでいいんだ」
「とら男…お前コレ、象じゃねーか!!!!」
ようやく霧の間から見えた怪物の正体は、全体が見切れない大きな象だった
『…これがゾウ』
タヌキがこの世界に来て初めて出会った年上の生物だ
ゆっくりと動いているようだが大きすぎて生物と判断するのも難しかった
「陸じゃねぇからログホースでたどり着けないはずだべ!」
うおおおと興奮したようにバルトロメオは部下たちとはしゃいでいる
「海外にはかくも異なる者が存在するのかッ!」
「ゾウには人を嫌う種族が住むと聞くが誠か!?」
『ミンク族のことだね
もう1000年近くゾウの上に住んでるんだって』
「1000年!?
あいつは1000年も生きてるゾウなのか!?」
驚きのあまりルフィは開いた口が塞がらなかった
ルフィのみならず船にいた誰もが初めて見るゾウに驚いている
前もって情報を持っていたローやタヌキも驚いていたが、ローの持つベポのビブルカードがゾウの上を指しているのを確認しお互いに頷いた
このゾウの上にベポたちがいる!
何ヶ月ぶりの再会にタヌキの尻尾が揺れた