羽衣さん、どれすろぉざに挑む【オモチャの家事変】
チェンジ
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「大切なものを探しているようだな、ロー」
「ドフラミンゴ!タヌキをどこにやった!?」
ドフラミンゴの問いにローは迷いなくタヌキの名前を出した
グリーンビットで会った時より目に見えて焦っている様子にドフラミンゴは気分がいい
「フッフッフッ…俺のいうことを聞けば会わせてやろうか?」
「誰が聞くかッ!」
ここまで来てタヌキが姿を見せないなんて…
ローはその予感を信じたくなかった
「何でお前がここにいるんだ!ミンゴ!」
「助けに来たのさ」
「なんだと…ッ!?」
「“弾糸(たまいと)”」
「!!??」
ドフラミンゴの放った玉がウーシーに直撃し、乗っていたルフィとローは水の中へ落ちた
なんとか顔を出すか、全身ずぶ濡れで悪魔の実を食べた2人は力が入らない
「この危機感のなさ!
くだらねぇ…これじゃあ、いつでも誰にでもお前らを殺せる」
「ハァ…ハァ…しっかりしろウーシー」
「なぜコイツを選んだ、ロー
お前はもっと見込みのある男だった」
攻撃も何もせずドフラミンゴは両手を広げ飄々と話を続ける
「九尾がオモチャの家に侵入したと聞いた時は正直肝が冷えたぜ…
なのに、お前らのせいで全てパァだ!」
「黙れ」
「ロー…ガキの頃でさえお前はもっと冷酷でもっと狡猾だった
一体誰がお前をこんな腑抜けにしちまったんだ?」
「黙れッ!
俺はお前のようになる気はねぇ!
俺はコラさんに救われたんだ!!」
「フッフッフッ!
我が弟、コラソンにか?
腑抜けてねぇなら、なぜこんなつまらねぇ死に方をする?」
ドフラミンゴの糸が再びルフィとローに襲いかかってくる
水の中では思うように体が動けず、避けれないと身構えた2人
ドフラミンゴの指がまた怪しく動いたとき、ドフラミンゴの腹を誰かが鋭い刃で突き刺した
「やめろ!麦わらさんに手を出すな!!」
「おっおまえら!」
ドフラミンゴの後ろから麦わらに助けられたというコロシアムの戦士が、ドフラミンゴに槍を突き刺していた
先ほど洞窟を案内した奴とは違う奴のようだが信用していいのだろうか
目の前のドフラミンゴは腹を突き刺されたというのに血の一滴も流していない
それどころか足先からシュルシュルと糸のように解けていく
「フッ…フッフッフッ!!!!
麦わらのルフィ…もはや才能ともいっていい!
この状況でよく味方を増やせるものだ!」
「やっぱり分身…糸人間か!」
槍が刺さったドフラミンゴの体は瞬く間に糸になって消えていく
「フッフッフッ…ロー、お前の可愛い飼い猫は俺がたっぷり可愛がってるよ」
「!!!、ドフラミンゴオオ!!」
「わっ!?とら男、暴れるなッ!!」
錠で繋がれた手ではドフラミンゴに向かうことすら出来ない
ドフラミンゴがいなくなり、ルフィとローは水の中から助け出された
興奮したローの息はまだ荒い
「……クソッ」
「実はさっき麦わらさんに、ここを抜け道だと言った奴が騙してたんだ!
俺たちが気づいて止めようとしたんだが…先にドフラミンゴが!
そいつも一瞬でやられちまって…」
「ホントにミンゴに助けられたみてぇじゃねぇか!
バカにしやがって!!」
怒りに興奮したルフィはまたローを肩に担いだ
「おい麦わら屋!今度は何をするつもりだ!」
「遅れをとった!一気に行くぞ!!」
言葉と共にルフィの右腕が風船のように膨れ上がり覇気を纏う
「“ゴムゴムのォ象銃(エレファントガン)”!!」
ルフィが洞窟の天井を思いっきり殴った
「なっなんだ!?」
なんと、洞窟から真上に続く王宮の2段目の地面に大きな風穴を開けてしまった
「麦わらさん、本当に抜け道作っちゃった…」
「お前ら!ウーシーの手当てを頼むぞ!!」
「はっはぃいいい!」
言うが早いが、助けてくれた戦士たちにウーシーを任せ、ルフィとローはあっという間に姿を消した
一瞬で先を行くコロシアムの戦士たちがいる2段目へとやってきた
「!!??、麦わらとローだ!!」
「どこから来たんだッ!」
急に地面を突き破りやってきたルフィとローに、戦士たちをはじめその場にいたドフラミンゴファミリーの幹部も動揺し騒めく
その場は一層、混乱を極めていた
いやドレスローザはどこもかしこも混乱の渦の中だ
「麦わら!!
幹部に捕まったら流石に足止めを喰らう!
乗れ!僕に作戦がある!!」
「キャベツ!分かった!」
洞窟でのことがあったのにルフィは迷わず作戦があるというキャベンディッシュに頷いた
キャベンディッシュの愛馬に乗り、王宮への台地を走り抜ける
「いいな、麦わら
僕が壁を斬って道を作る」
「俺が敵をぶっ倒せばいいんだな!」
「それで一気に僕も3段目に…って!1人多いぞ!!誰だキミは!」
キャベンディッシュがきらりと白い歯を見せルフィたちの方に振り返ると、いつのまにかルフィとローの後ろにキュロスが乗っていた
キュロスを見たルフィは嬉しそうに笑った
「あっ!兵隊!
よかった探してたんだよ!」
「重量オーバーだぞ!!」
「ルフィランドの作った道を辿ってきた
ありがたい」
「おい!聞いているのか!?」
「………」
キャベンディッシュの文句は聞き入れてもらえない
ローには煩いくらい届いているが、面倒なので無言を貫く
「俺たちこれからレベッカたちと合流するんだぞ!」
レベッカは鍵を持ってロビンたちと4段目のひまわり畑にいるはずだ
ローはここではじめて、この男がレベッカの父親である兵隊であることを認識した
「レベッカがこの敵陣にいるのか!?
なぜ止めない!」
「4段目のひまわり畑で待ち合わせてんだ
大丈夫!俺の仲間が一緒だから!!」
シシッと笑うルフィを見てると本当に大丈夫な気がしてきて、キュロスはそれ以上何も言えなかった
「…私がこの丘を登ってやりたいことはひとつ」
「………」
こいつもドフラミンゴを討つとか言うんじゃねぇんだろうな…
「ファミリーの最高幹部にこの手で討ち取りたい奴がいる!!」
ローの嫌な予感は外れ、キュロスは最高幹部のディアマンテを討ち取るつもりだと言う
「おっさん、死ぬ気じゃねぇだろうな」
「バカ言え!人間の体で負けん!」
「ならいいや!」
「よくない!僕は降りろと言っている!」
「何だよーお前が降りろよー」
「ッ、意味がわからない!
最悪だ!まさに“最悪の世代”!!」
「俺を一緒にするな」
中身のない話をしながら、一行はやっと2段目の台地についた