羽衣さん、どれすろぉざに挑む【SMILE工場の抗争】
チェンジ
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ボロボロのオモチャの身体を引きずって、タヌキはなんとか幹部塔へと戻ってきた
まだ何か自分に出来ることがあるはずだ
「…何度も向かってくるんだな!こいつら!!」
「コレを仕切りに私に食べさせようとしてた…きっと毒ね、不味そう」
タヌキの目に飛び込んできたのは地に伏したレオたちトンタッタのみんなだった
トレーボルのベトベトに何度もやられ、それは見るも無惨な光景だった
レオ!?ウソップはどこ?
タヌキは慌てて辺りを見渡した
記憶があるということは、シュガーにオモチャにされていないということだ
…私が忘れてるだけで、もう誰かのことを忘れているのかもしれない
そして、きっと私も忘れられてる
オモチャの身体では拳をぎゅっと握りしめることも出来ない
オモチャの兵隊の言葉の恐ろしさを身をもって実感する
今の姿じゃ、無惨に横たわるトンタッタを助けることも出来ない
…私はまた何も出来ない
『…ん?』
何か聞こえた気がして顔を上げる
「んー、ねぇーねぇー
こいつらなんか言ってない?」
「…う」
「そ…」
「ラ…」
「……ンド」
「「「「「ウ・ソ・ラ・ン・ド!!」」」」」
トンタッタが皆してウソップを呼んだ
タヌキは静かに息を呑んだ
「ウソランド…?
誰だそれ」
「だからさっきこいつらの仲間って言ったじゃない
バカね、あんた死んで」
「ぶべー死ぬか!」
「ウソランドは…ぼくらのヒーローれす…!
ハァ…ハァ…ぼくたちだけ、じゃない…ッ!!」
レオの声が幹部塔にある電伝虫のスピーカーを伝わって地下中に流れる
「毎日毎日、この地下で働かされてるオモチャたちも!
工場で奴隷にされているぼくらの仲間も!
楽しく街を歩くようで、心の中で泣き続けてるオモチャたちも!
愛する者を失ったことにも気づけない不幸な大人間たちも!!」
涙を流し、強く拳を握りながらレオは言う
「みんな…みんな、ウソランドは救ってくれる!!伝説のヒーローなのれす!!!」
『……レオ』
ボロボロの身体でまだウソップの嘘を信じている
この体がオモチャでさえなければ…私がシュガーをやっつけるのに
「じゃあ、なぜお前らのヒーローは姿をださない?
お前らは騙されたんだよ!!」
ローの作戦を続行するなら、シュガーを諦めこのままトンタッタを見捨てて“SMILE工場”に行くべきだ
…けどそんなこと、出来ない
ごめんなさい、ロー
タヌキは心の中でローに謝りながら、トンタッタを踏み潰そうとするトレーボルの前に出ようとした
こんな身体でもやれることがある!
その時だった
「いい加減にしろぉ!!
お前ら!!!」
“!!、ウソップ!”
そこにいたのは、目から涙を流し、鼻水は止まらず、全身から汗が出て、足の震えは止まらないウソップだった
「ウソランド!!!」
「ッ!!俺は!ウソランドなんて名前じゃねぇ!!
俺はウソップ!泣く子も黙る麦わら一味の狙撃手!
伝説のヒーローでもねぇ!俺は海賊だ!!」
言いたいことを叫び息を切らすウソップ
なぜ彼はそんなことを言うためにここに現れたのだろう
タヌキはウソップが理解できなかったが、ずっとかっこよく見えた
「お前はわざわざ自分の嘘を言いにきたのか?」
「そうしねぇとこいつら死ぬまで俺を待つからな!
そんな目覚めの悪いマネされるより、こんな俺を信じてくれたお礼によ…命の1つも賭けて散る方が格好がつくってもんだろう!!」
虚勢をあり…見栄を張り…命を賭す
ウソップもまた海賊で…人間だ
「俺の名はウソップ!!
よく覚えとけ、トンタッタ!
俺が今からお前らのヒーローになってやる!!」
“必殺緑星”!!
「ベトベトべッタンッ!!」
ウソップの攻撃があっけなくトレーボルのベトベトに捕まった
「!!??」
「九尾ほどの力がねぇお前に俺が負けるはずかねぇ!
べっべべッ!!」
救世主の一撃は儚く散った
想いで倒れるほどトレーボルは甘くなかった