羽衣さん、ろしなんてさんの昔話を拝聴
チェンジ
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戦いを終えたローたちはお花畑にあるキュロスの家で休養していた
夜中になっても起きないローの柔らかい髪を撫で立ち上がり、タヌキは静かに小屋をでた
13年間の緊張の糸が切れたのだから仕方ない
タヌキは起こさないように音を出さないように細心の注意をはらった
澄み切った夜空に浮かぶ月見に出たが、先客がいた
『月見?いい趣味ね』
月夜で酒を飲んでいたのはゾロだった
本人は月なんかついでの様で、もう何本も空いた瓶が転がっていた
月明かりに照らされたタヌキの身体はまだ包帯は取れきってないが、ほとんど治っていた
マンシュリー姫のチユチユの能力は本物だ
「お前もよくこんな大作戦についてこようと思ったな
命かけて…お前はドフラミンゴと何の因縁もないんだろ」
『ローは私を助けてくれた恩人だからね
あの時命かけてもらって、今回私がかけないんじゃ私のプライドが許さないもの』
あの時とはどの時かゾロには分からなかった
しかし、ローとタヌキたちのハートの海賊団も偉大なる航海を進んできたのだ、それなりの冒険があるに決まっている
『それに、船長がそう言うならついてくしかないでしょ?』
「ハハッそりゃちげぇねぇ!!」
その言葉にゾロも頷くしかなかった
パンクハザードで出会った時から互いに感じていたことだった
「お互い厄介な船長を持つと苦労するな」
『フフ、そうだね』
タヌキも酒を煽った
喉が焼ける感覚にあまりおいしさを感じない
ラッコの淹れてくれるココアの方が何倍もおいしい
ドレスローザを去れば、次はみんなの待つゾウだ
みんなは元気だろうか
流石のタヌキもゾウまでは聞こえない
「なにをしている」
『ロー』
後ろに立っていたのは不機嫌そうなローだった
血を流しすぎたローは、さっきまで深い眠りについていたはずだ
ローを見ると、ゾロは寝ると大きなあくびをして小屋へと帰ってしまった
言い訳くらい付き合ってくれたっていいのに
「2度言わすな…ロロノア屋となにをしていた」
『えっと…月見…?』
タヌキの答えにローはみるからに不満という顔をした
でも、事実なのだからタヌキにはどうすることもできない
ローはタヌキの横に腰を下ろす
「俺は…戦いの最中、お前を忘れていた」
『それは私のミスでシュガーにオモチャにされちゃったからで…』
「んなことは分かってる…でも俺は心臓が震えた
身体から冷や汗も止まらなかった」
こんなに心臓が震えたのはコラさんを亡くしたとき以来だった
ローはすがるようにタヌキの顔に触れた
タヌキの存在を確認するように
「また…俺は大切な人を…失くすのかと…」
タヌキと進んできた海も、記憶も、感情も全てなくすところだった
「タヌキ…お前が生きて本当によかった」
『私も…ローが生きててよかった
もう…ローと一緒にハートみんなといれないかと思った
でも、ローとまたハートのみんなと旅が出来る』
それがたまらなく嬉しい
タヌキはローに習うように優しくローに触れる
そして何回も交わした約束繰り返す
「俺は…七武海にも四皇にも負けねぇ
だから、タヌキ…ずっと俺の横にいろ」
その約束の答えはいつも決まっている
『あいあい、キャプテン』