羽衣さん、帰省する
チェンジ
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その夜、約束通りに荼枳尼はやってきた
全員が行くと言ったが船を無人にするのも気が引けた
それを荼枳尼に伝えると
「…なら、こちらで霧を張ろう」
荼枳尼のその言葉とともに昼間の霧が現れた
「これでしばらく大丈夫だろ」
「「「「「ぉおおおおおなんじゃこりゃああ!!」」」」」
ドヤ顔で荼枳尼が振り向こうとすれば、背中から雄叫びが響いた
「えっ、これで行くのか!?」
「うるさいやつだ…タヌキ…やっぱりこいつらは置いていこう」
「ねえ!これなに?なに?」
「うるさい!気安く話しかけるな、くま!どこをどう見てもウマだろ!」
「ぅえええ!」
「嘘だよな、エロ眼鏡のねぇちゃん!」
「馴れ馴れしく呼ぶな!」
「っ!!もっと叱ってください!!」
「これ、キュウリじゃん!でっかいキュウリじゃん!!」
「なんかきゅうりに枝みたいのささってるけど、もしかしてこれ足?」
「わーわーぎゃあぎゃあうるさい!嫌なら乗らんでよし!!」
「みて、タヌキ!!
俺、きゅうり乗るの初めてだ」
『ベポ、似合ってる』
まるで緊張感のないハートの海賊団に荼枳尼はため息ついた
荼枳尼が用意したのは、でかいきゅうり、荼枳尼曰く馬だった
見たこともない乗り物…?生き物に、ベポたちは大興奮だった
「すまん、タヌキ
タヌキ1人を連れていく予定だったから、朧車を一台しか用意していない」
『いいよ、みんな楽しそうだし』
はしゃぐクルーにタヌキも嬉しそうだった
乗ろうとするタヌキに見知った顔が見えた
「こんばんは、姫」
『久しいな朧車
お前も長いな』
「覚えてていただき光栄で」
「うわー!なんか喋ってる!!」
『朧車だよ、ベポ』
牛車の前面にデカい顔がくっついている朧車だが、見た目に反しておとなしい
これもまた見たこともない生き物…?乗り物に大興奮だ
タヌキが朧車に乗り込むとローがもう乗っていた
「あれ?キャプテン、そっちに乗るんっすか?」
「そんなダサいの乗れるか」
「キャプテン、本音が直球すぎます」
朧車に怯えもなく乗っているローにタヌキは驚いた
普通の人間はこんなにあっさり朧車に乗れないのに…まあローは普通じゃないからいいのか
「よし、皆準備はいいな
行くぞっ!!」
荼枳尼も朧車に乗り込むと声を上げと、ベポたちの乗ったきゅうりも追いかけるように空をかけた